著者:かりまた
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以下、本書の冒頭より抜粋

「人生100年時代」とも言われているこのご時世、私たちは「資産運用」によって資産を積極的に増やす努力が必要となります。

そこでまずは、資産運用の重要性についてお伝えしたいと思います。

●資産運用が必要なのはなぜ?

定年退職後、つまり老後の生活に備えるためには貯蓄ではなく資産運用を行わなければなりません。

それには次のような理由があります。

理由①銀行の金利が低いから

バブルが崩壊する以前の金利は、今では考えられないほど高金利でした。

どれほどの金利だったかというと、高度経済成長期である70年代は約8%、その後バブル期に突入すると多少の低下はあったものの約6%を維持していました。

6%という数字は、約12年で倍の金額に増えるということを意味しています。

では、過去の金利と現在の金利を比べてみるとどうでしょう。

現在の金利は6%を大きく下回り、0.001%から高いところでも0.2%ほどのところがほとんどです。

これほどの低金利では、銀行預金の金利によって資産を大きく増やすことは困難であることが分かります。

理由②年金支給額の低下

現在、年金保険料を納税している労働者3人で1人の高齢者の年金を賄っています。

しかし少子高齢化が進むことによって、労働者1人で賄う高齢者の数が増加することが予想されています。

こうした状況に対処するために、年金の受給開始年齢を引き上げたり支給額を下げる政策が実施されています。

そのため「定年退職後に年金が貰えるから、特に生活に心配はいらない」という考えは非常に危険で、自ら老後の生活費を準備する努力が必要となるのです。

理由③給料の低下

バブルが崩壊し雇用を減らさなければならない状況でしたが、これを防ぐために多くの会社が給料を大幅カットして対処しました。

これがきっかけとなり、日本企業の給料はなかなか上昇しづらくなってしまったのです。

さらに、低い賃金で雇用することができる「非正規雇用」が増加したことも給料低下の要因となっています。

この状況に加え、退職金を支給する企業が減少しているのも現実です。会社の規模が小さいと最悪の場合、退職金が支給されないこともよくある話です。

●老後の資金に備える制度

ゆとりある老後を過ごすために、資産運用がどれほど重要なのかご理解いただけたでしょうか。

これからの時代、銀行預金だけでは老後の生活を賄うことは不可能に近いのです。

そんな老後の生活費に備える制度の一つに「iDeCo(イデコ)」があります。

iDeCoは投資による利益が非課税となるため

「NISAと同じ制度」

「NISAとの違いがよく分からない」

と感じている方が多いかもしれません。

しかしNISAよりもiDeCoの方が老後資金を蓄えることに特化しており、掛け金や運用期間などのルールに違いがあります。

では、一体iDeCoとはどのような制度なのでしょうか?

そのしくみを知り、年金だけでは賄うことのできない老後の生活費を今のうちに準備していきましょう。

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