著者:猪川紀夫
ページ数:41
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このNewer Technoology社は最高の製品を作り続けながら倒産にいたった。Newer Technologyに勤務し、そのぶっ壊れていく過程をつぶさに見ていた僕の記憶を記していく。
Newer Technology社は偉大だった。製品を生み出す技術料は業界トップだった。多くのファンもいた。無数のヒット製品をリリースした。ヒット製品に気を良くして多くの製品を作りすぎ、在庫があふれ、その処理に困り、たたき売り、資金が不足して、クビが回らなくなった。
株主は怒って、有能な創業者である社長を更迭し、副社長を追い出し、Newer社の資産を他社に売り飛ばしていった。僕はすでにこの段階でNewer Technlogy社を飛び出し独立していた。
***
Newer Technoology社は僕にとって最初の米国で勤務した会社だった。それまでの日本の会社勤務との大きな違いに戸惑い、そして多くのことを学んだ。米国とは何か、米国人とは何者か、Newer Technolgoy社とは何か、Macとは何か、仕事とは何かなどなど、哲学的なことでも考えないとやってられないほどのカルチャーショックのオン・パレードだったのである。
僕が現在マックメムの店長として独立しているのは間違いなく、Newer社での経験があるからだ。
しかしNewer社にいた人々が素晴らしく、僕が多くの影響を受け触発されたので独立心が湧いたのだと考えるのは全く検討違いである。Newer社にはとても素晴らしい人々が多くいたことは間違いない。でも私の独立心はまったく逆の人々に養われた。Newer社にいたとんでもない人々と一緒に仕事をしないためには独立するしかない、またはこんな人たちが社会でやっていけるなら僕ならもっとやっていけるはずだ、というマイナス面からの脱出的な指向が働いた結果、独立に至ったと思っている。
Newer社は良いところでもあったし、悪いところでもあった。そのことを読んでいる方と共有できたらと思う。 なお、ここにある事は米国の一つの中小企業にわずか3年の勤務の経験だけを元に、僕の偏った主観で書かれたものである。なので、そこらへんは割り引いて読んで頂きたい。
【第七章】唖然!マックを知らない上司
結局売れ残ったPowerBook1400用2400用のアップグレードカードを代理店に言い値で買い取ってもらった。
そしてNewerは経験の豊かという触れ込みの新しいディレクターを雇ったのだが彼はMacintoshについて全く知らなかった。
【第八章】邪魔!仕事の妨害をする上司
新しく自分の上司となった新しいディレクターは仕事が遅く、かつ定時になるとさっさと帰ってしまう人だった。
企画を提出しても日本市場について理解のない彼はいつになっても承認してくれない。そのため日本の代理店との仕事が滞ることになった。
【第九章】不要!読まれない書類
新しいディレクターは部下にいろいろな書類提出を要求してくるもののそれを読むことをしない形式ばかりの管理者だった。
【第十章】決断!ニューワー社からの独立
こんな上司のもとでは出来る仕事も出来ない。そこで僕はNewerからの独立を決断する。
米国でNewer製品を取り扱うオンラインショップアップグレード・スタッフの日本支部を起上げることになった。
【第十一章】無情!あしらわれた技術提携
1997年の夏、米国進出を目論むインターウエア社とマックワールドボストンにて出会うこととなった。
僕は日本のシェアを上げるため技術提携すべきだと訴えたのだが、話がまとまることはなかった。
【第十ニ章】競合!買収しても良いですか?
1998年はNewer社もインターウエア社もユニークな製品を発売した。
Newer社は6100/7100/8100用アップグレードカード、インターウエア社はに5400/6400用アップグレードカードだった。
お互いにライバル関係であったが、10月に日本で開かれたワールドPCエクスポで会食の時をもった。
その時にNewer社の社長がインターウエア社に買収を持ちかけた。
【最終章】激突!ニューワー社とインターウエア社の技術セッション対決!
1999年秋に幕張で開かれたワールドPCエクスポでアップグレードカードの今後についての技術セッションが持たれた。
インターウエア社はNewer社を意識した挑発的な発言を行い、聞いていた僕はひやひやしていた。
ニューワー社とインターウエア社が会ったのはこれが最後となった。
偶然か必然か2000年にニューワー社とインターウエア社ともに倒産してしまうことになった。
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