著者:Umio Mamoru
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内房線の下り普通列車は千葉駅始発が多い。JRの路線としては蘇我~安房鴨川が内房線であるが、線路が複々線であろうと旧国鉄の規定では一つの区間に二つの路線は原則として存在しない。宇都宮線や湘南新宿ラインのように、愛称の路線名をだけを走る列車も存在する以上、千葉駅始発という解釈は可能だ。鉄度ファンなら周知の事実だが、山手線の正規区間は品川~渋谷~新宿~田端の二〇.六㎞だけだ。田端~東京は東北線、東京~品川間は東海道線の区間である。千葉駅は、総武快速線、総武緩行線、外房線、内房線、総武本線、成田線、千葉都市モノレールが発着し、京成千葉駅も隣接する大きなターミナル駅である。二〇二一年度の一日平均乗車人員は八万六千九百十一人でありJR東日本では二十九番目に乗車人員が多い駅だ。利用者の実感では西船橋はともかく、船橋や柏より乗客が多く賑わっている感じがするのだが、乗車人員はあくまでも改札を通って乗車した人数であり、JR線内の乗り換え客は含まない。二〇一六年以前、現在の近代的な駅施設が整備される前の千葉駅は、混沌という言葉が適切な駅で、まさしくカオス駅であった。現在の発着方面別ホーム運用が開始される以前の千葉駅は『ビジター泣かせ』総本山のような駅であった。内房線、外房線の各駅停車と、総武快速線、総武本線の列車が入り乱れて様々なホームから発着していたのだ。一部列車は千葉駅折り返し、快速列車の一部は、到着後すぐに発車できずに数分滞留する。発着番線には限りがあるのに、四方八方次から次へと進入してくる。成田エクスプレスのように県庁所在地の中心駅(県庁最寄りは本千葉駅)を通過する輩はホームを消費しない優等生だ。複雑なホーム運用のため少しダイヤが乱れるとカオスであった。現在の千葉駅はすっかりおとなしくなり、どちらかと言えば都会的なスマートな駅に変化した。NEW千葉駅のホームは一・二番線 総武緩行線三・四番線 内房線五・六番線 外房線七・八番線 総武本線九・十番線 成田線と、発着路線、行先別にホームが分類されている。総武快速線の記載がないのは、総武緩行線以外のどのホームからも快速列車は発着するからだ。以前の千葉駅は「次の発内房線君津行き普通列車は五番線」「次々発の内房線木更津行き普通列車は三番線」という運用状況で、各地から進入し折り返す列車の発車ホームは列車毎にまちまちだった。また運用の都合上仕方ないが、総武快速線からの直通列車は君津行きであろうが、上総一ノ宮行きであろうが、空いているホームから各地へ出発する。間違った方向の電車に乗っても、蘇我駅までに気が付けばましだ。土地勘がない人の場合、木更津へ行こうとして茂原まで行ったり、津田沼へ行こうとして、土気でようやく乗り間違いに気づくような事象が生起した。その場合は延々と房総半島を一回りするわけにはいかないので、蘇我まで反対方向の列車に乗って逆もどりするしかない。長年の改良と、駅ビル新築のおかげで千葉駅は生まれ変わった。千葉駅はファッショナブルで垢抜けたターミナル駅になった。内房線旅行記は千葉駅から始まる

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