著者:古川 康彦
ページ数:107
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1巻目の「直進対右折」に続いて、四輪同士の「出合い頭」つまり直進対直進の過失割合を解説しました。
本書もまた1巻目と同様、本書のベースとなっているのが「別冊 判例タイムズ16号」(東京地裁民事交通訴訟研究会 編)(判例タイムズ社)です。
ブログや保険会社等のホームページには、この判例タイムズの過失割合の結果だけを引用しているケースが多く、どうしてそういう過失割合になるのかという詳細な解説をしていないケースがほとんどです。
「このケースはA:B=10%:90%」というように、判例タイムズの結果だけを紹介するだけでは、判例タイムズの基本理念を無視することになり、結果だけが一人歩きする事態となりかねません。
特に保険会社さんは、型にはめて、たこ焼きを焼くように、判で押したように過失割合を決める傾向が強いと私は感じます。
たとえば、交差点でセンターラインが消えかかっていて、よく見ればセンターラインがあるようなショボイ道路は「優先道路」ではなく、一方に一時停止の標識のある交差点の過失割合を準用すべきです。
また、センターラインがなくても幹線道路として一般的に認められている道路で、片方の道路が路地のような狭い道路の交差点では、優先道路の過失割合をすべきです。
これは判例タイムズに明記してあります。
センターラインが消えかかっているショボイ道路でも、「優先道路」と杓子定規に適用すべきではないと私は考えます。
保険会社へ反論できるネタとして本書を活用していただければ幸いです。
判例タイムズも言ってるように、事故は千差万別です。
事故は空調設備の効いた事務所のなかで起こっているのではありません。
なんといっても事故の当事者のあなたが、事故現場をよく知っています。
本書で保険会社の担当者と対等に話せる土台を作ってください。
目次
状況図入り目次
はじめに
1.保険会社は判例タイムズの使い方を間違っている
2.具体的にどういう過失があるのか答えられない保険会社
3.その他
第一章 信号機のある交差点
・信号機により交通整理の行われていない交差点とは?
・では信号機による交通整理の行われている交差点とは?
1.青信号車と赤信号車との事故(51)パターン1
2.黄信号車と赤信号車との事故(52)パターン2
3.赤信号車同士の事故(53)パターン3
第二章 信号機のない交差点
1.道路幅が同じ場合(54)
パターン4:A・Bとも同程度の速度 過失割合表
パターン5:A減速せず・B減速 過失割合表
パターン6:A減速・B減速せず 過失割合表
2.一方通行違反がある場合(55)パターン7
3.一方が明らかに広い道路である場合(56)
パターン8:A・Bとも同程度の速度 過失割合表
パターン9:A減速せず・B減速 過失割合表
パターン10:A減速・B減速せず 過失割合表
(1)明らかに広い道路(広路)とは
(2)「明らかに広い」とは
(3)両者の注意義務は
4.一方に一時停止の規制がある場合(57)
パターン11:A・Bとも同程度の速度 過失割合表
パターン12:A減速せず・B減速 過失割合表
パターン13:A減速・B減速せず 過失割合表
パターン14:Bが一時停止後進入
(1)一時停止義務違反とは
(2)正しい一時停止の方法
5.一方が優先道路である場合(58)パターン15
(1)優先道路とは
(2)保険会社に報告するときの注意点
保険会社はなかなかA:B=0%:100%を認めたがりません!
6.押しボタン式歩行者信号青表示(車両用信号なし)と交差道路車両用信号赤色表示の交差点の場合(59)パターン16
第3章 保険会社とうまく交渉するには?
1.こっちの保険会社でも0:100を認めないワケ
(1)相手の過失が明らかに100%のとき
(2)こちらが極端に過失が少ない時
(3)弁護士法違反
(4)弁護士費用特約を利用する
2.過失があれば代車は認めないという「保険業界の常識」のウソ
1.「100:0(ひゃくぜろ)の事故じゃないと代車はでないんです。」
2.ではどうしたらよいだろうか?
3.裁判でみとめられた代車例
第4章 最後に
シリーズ一覧
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