著者:猪股 岩生
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本書は絵画作品は「構図」次第で作品の「良し悪し」が決まってしまう事実を様々な事例から示し、作品の着想から構図を導き出すまでのプロセスについて具体的に解説しています。構図を考える上で非常に重要な「重力」や「太陽光」の役割とその影響、遠近法と構図の関係性、脳科学や心理学からのアプローチ、文化の違いによる美意識がどう影響しているかなど過去の名作と併せて解説しています。今まで「何となく自分の感覚のみで描いていた」あるいは「構図の知識を定型的に利用して描いていた」方に実践的に活用頂ける構図の方法論を本書を通じてお伝えできればと考えております。

はじめに

序章 「構図」の原点を探る
「描く範囲」を決める事・・・これが「構図」の原点
「構図」とは描いた人の心・・・「ロケーション」と主人公の関係性を「配置」で表す事
etc

第1章 「構図」の基本原理を理解する

「重力」の存在が全ての構図を決める原点
「水平線」は空間の「広がり」「垂直線」は「奥行き」を表す
「重力」が人間の心理に大きな影響を与えている事実
「明度」の違いは構図に大きな影響を与えています
「錯視」(さくし)は構図に影響を与える要素の一つ
etc

第2章 「代表的構図」の効果を理解する

その1 日の丸構図  その2 二分割構図(水平線)
その3 二分割構図(垂直線) その4 三分割構図
その5 水平・垂直構図  その6 片寄構図
その7 三角構図  その8 対角線構図
「悪い構図」とは?
抽象絵画には具象絵画の構図概念が当てはまるのか?
「遠近法」と構図の関係性について
線遠近法(透視図法)
「線遠近法」の「一点透視法」は風景構図の原点
斜投象法(しゃとうぞうほう)
「構図」は心理学
「構図」と「画面分割法」
「黄金比」と「白銀比」(大和比)の比較
ゲシュタルト心理学は「構図」を考える上でなくてはならない有効な理論
プレグナンツの法則
「近接の要因」「類同の要因」「共通運命の要因」
「併合の要因」「面積の要因」
「質感」が画面に与える影響とは?
構図の組み立ては広い世界観をイメージして考える事が第一歩
etc

第3章 構図を組み立てるプロセスを身に付ける

過去の代表的画家の作品の構図の成り立ちを探る
「風景画」の構図を決める
「着想」から「構図」を決めるプロセスを理解する
同じテーマでも捉え方の違いで構図が変化した事例
「静物画」の構図を決める
全身を描いた肖像画
人物画は視線が大きな構成要素
「群像画」の構図

終章 「構図力」を磨いて作品の完成度を高める

気になったものを見つけた時は手で「枠」を作り眺めて見る
映画やTVドラマのカメラアングルを観察する
etc

あとがき

画家・造形デザイナー 猪股 岩生 略歴

1957年 北海道室蘭市生まれ
1977年 北海道綜合美術専門学校
(現北海道芸術デザイン専門学校)卒業
1992年 ニューヨーク T &Mギャラリー出品
1993、1996、2001年 ミレー友好協会フランス本部展入賞
1999年 札幌時計台ギャラリー個展(札幌)
2000年 さいとうギャラリー個展(札幌)
    オリジナルギャラリー個展(札幌)
2001年 EXPO ARTEC21(フランス)入賞
    コンチネンタルギャラリー個展(札幌)
2002年 三越スカイギャラリー個展(新千歳空港内)
    オリエンタルアート・彩ギャラリー出品(ラスベガス)
2004年 コンチネンタルギャラリー個展(札幌)

野外造形物

1988年 稚内空港モニュメント
1989年 北海道中央コンピューターカレッジ モニュメント
1993年 夕張市 清水沢 モニュメント
2007年 北海道立室蘭東高校 同窓会モニュメント
2009年 富良野市 無頭川モール へそ踊りオブジェ
    東川町 湧水のオブジェ
2017年 札幌駅南口広場 フラワーモニュメント 

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