【無料で読める】経理に携わっていない方のための財務会計入門

会計はビジネスランゲージと呼ばれており、経理に携わる人のみならず、すべてのビジネスに携わる方に必須の知識といわれています。しかし、経理以外の方が会計を勉強しようとする場合、どのような内容をどのレベルまで学べばよいのか迷うところです。日本商工会議所は簿記検定は、毎年数十万人の方が受験する会計分野の試験ですが、その内容は主として決算書の作成能力を測るものであり、専ら経理畑の人を対象としたものです。ビジネスランゲージとして必要とされる会計知識は、決算書を作成する能力ではなく、決算書を読んで、会社の財務状況を理解できる能力です。本書は、経理に携わっていない方ではじめて会計を学ぶ人を念頭に、ビジネスランゲージとしての会計を身につけていただくことを目的に書かれたものです。
第Ⅰ章とⅡ章で、貸借対照表と損益計算書の概要とその関係並びに複式簿記について見ていきます。複式簿記はビジネスランゲージとして必須の知識ではありませんが、初歩的な点だけでも理解しておくと会計を勉強していくうえで後々役に立つものです。
第Ⅲ章とⅣ章、Ⅴ章では、貸借対照表と損益計算書の読み方について学習します。「木を見て森を見ず」的な見方をせず、鳥瞰的に見ていくことが大切であることを理解していただきます。
第Ⅵ章とⅦ章では、財務分析(収益性、安全性、成長性)を見ていきます。貸借対照表と損益計算書を深読みすることと財務分析を行うことが同義であることを理解できることでしょう。
第Ⅷ章では、会計基準を見ます。会計基準が異なると利益まで異なってきます。特に、日本基準と国際会計基準の相違について押さえておくことは重要です。
第Ⅸ章とⅩ章では、キャッシュ・フロー計算書の読み方について学習します。財務3表(貸借対照表、損益計算書、キャッシュ・フロー計算書)をマスターすることで、はじめて会社の財務内容を理解できます。
第Ⅺ章、Ⅻ章、ⅩⅢ章では、ファイナンス、税務、連結会計を取り上げます。いずれも大事な項目ですので理解を深めてください。
最終章の第ⅩⅣ章は、株式関連とまとめの章としました。株式関連では、重要な指標の紹介と株式投資について触れました。まとめとして、図解式財務分析フローチャートのフォームと記入例を載せました。図解式財務分析フローチャートに沿って財務分析を行っていけば、必要十分な会社の財務状況を把握できます。