著者:遠藤 真
ページ数:60

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「防音室なんてだめよ!かえって音が悪くなるから」
一般的な住宅の設計を主な仕事としていた筆者が、防音室の工事も手がけるようになってしばらくした頃に、相談に来られたお客様が「友達がこんなことを言うんですけど・・・」と前置きしておっしゃったこと、それが冒頭に書いた言葉です。
それを聞いて私が思ったことは「うーん、実は正しい」です。
なぜならば、他の業者で防音室を作ったけれど、その中で弾くピアノなどの楽器の音がすごく悪くて、なんとかなりませんでしょうか、という相談がしばしばあったからです。
その時から、私ははっきりと方針を決めました。防音室は近隣とのトラブルを防ぐだけではだめだ。その中で奏でる楽器の音が見違えるように良くなるような音楽室を作ろう、と。

本書の全体は、前編と後編の2冊に分かれており、本書はその前編です。
筆者の音楽との出会い、自ら楽器を奏する音楽愛好家でありながら防音室づくりを仕事とするようになったいきさつ、その中でのいろいろな気づきなどを述べ、その上で防音室づくりの基礎知識である、遮音・吸音・室内音響などについて、わかりやすく解説しています。
豊かな音楽生活の場としての防音室づくりのために大切な事、そしてそれを実現するための具体的な方法が、本書をお読みいただくことによって、手に取るように明らかになっていきます。

[目次]
まえがき
第1章 防音室づくりの姿勢・あり方
 私と音楽、そして音
 その頃 住んでいた家
 防音室工事に携わる
 防音室についての不満
 なぜ「ダメな防音室」ができてしまうのか
 涙を流したお客さん
 デザインと環境
 建物本体との関係
 コストについて
 建築・音響・デザインのコラボレーション

第2章 防音室づくりの基礎知識(1)遮音
「防音室」という言葉
「遮音」と「吸音」
 何に対して遮音するか
 音源の種類
 デシベル」という数値
 有意な音と無意な音
 目指す遮音性能
 70dB減衰の内訳
 遮音のための5つの原則
 建物本体の間取りと性能
 
第3章 防音室づくりの基礎知識(2)室内音響
 室内音響調整の基本方針
 良い音のための3つのセオリー
 デッドかライブか、そして音質は
 残響時間と周波数特性
 家具や備品などの影響

(なお後編は現在編集および校正を行なっており、近日中に発刊の予定です。その目次予定は次のとおりです)

第4章 防音室づくりの基礎知識(3)室内のデザインと環境
 窓について
 換気について
 クロスについて
 照明について

第5章 防音室と建物本体との関係
 防音室の配置
 防音室の重量
 楽器の搬入経路
 既存住宅に防音室を作る場合の注意点
 マンションの場合
 コストについて
 総合的な設計が大事

第6章 アマチュア音楽家として思うこと
 アマチュアとして
 バロック・アンサンブル
 バロック音楽の作曲家
 私たちが演奏して楽しめる作品
 音楽の楽しみかた

あとがき

【著者】遠藤 真(えんどう・まこと)
     一級建築士
     音響設計アドバイザー
     神戸大学工学部建築学科卒
     遠藤 真・安田倫子 設計室 共宰
      ホームページ http://www.me-arch.jp
     バロック音楽奏者(主としてヴィオラ・ダ・ガンバを演奏)
     神戸ホルボーンアンサンブル 団員

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