著者:テッド・ササキ
ページ数:31
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タイトル・文字通り本書はサイゴンへの海外プチ移住のお勧め本です。
本書の初稿が執筆されたのは、2012年1月である。宮城県石巻市出身で、実家も同市にある著者は、東日本大震災が発生した日は、ベトナムに在住していたため、被災は免れたが、親族や知人・友人には、何人か、犠牲者・被災者が出た。震災当日、遠い異国で、NHK海外放送からの、故郷・石巻を含む三陸沿岸や仙台平野を襲う大津波の映像を固唾を飲んで見ながら、国際電話で、石巻の実家や仙台の親族へ通話を試みたが、中々通じず、不安と苛立ちにさいまれたことを強く記憶している。
本書の初稿が執筆された時点では、大震災から10か月程が経っていたが、当時、水素爆発などにより福島第二原発からの放射能汚染の問題が広く懸念されて、一部の住民は、東北南部や関東地方から他地方への避難や移住を選択し、首都圏の放射能汚染からの安全性に疑念が向けられていた。
そうした中、日本列島の地震、火山噴火、台風、大雨・洪水などの世界的に見ても、高頻度の自然災害・天変地異の懸念を受けて、海外移住・国外脱出も選択肢の一つになり得るのではないかという発想が本書執筆の大きな動機となった。
著者がはじめて、ベトナムを訪れたのは1996年2月である。ホーチミン(旧サイゴン)の国際空港で、飛行機から機外に出て、タラップを降り、空港ビルに向かう送迎バスに歩いて行ったとき、北半球の2月だというのに、生暖かい風が吹き、南国特有のねっとりした空気が纏わりついて来たことを昨日のことのように思い出す。
その後、1997年10月から翌年5月まで、首都ハノイに駐在する機会を得たのにはじまり、1998年5月から翌年10月まで、ホーチミン(サイゴン)に駐在した。こうして、2020年3月まで、足掛け25年、累計13年以上におよびベトナムに居住する機会を得た。
この25年にまたがるベトナム滞在で最も感慨深かったのは、日本列島と較べて、なんと自然災害・天変地異が少ないんだろうということであった。特に、ベトナム南部は、温暖な気候は言わずもがな、地震や火山活動とはほぼ無縁であり、台風は10年に一度くらいの頻度でしか上陸しない。
勿論、ベトナムは社会主義国を標榜する日本とは、政治体制の異なる異国で、言論の自由の制約など、多少は不自由なところはあるが、経済体制は、資本主義国とほとんど同じであり、ホーチミンに数年前に高島屋が開店したり、2020年末時点で、3つのイオンモールが市内や近郊に出来て、数千人におよぶ在留邦人の生活改善も急速に進んでいる。
新型コロナ感染症の世界的流行以前は、ベトナムは格安海外旅行の行先として、年間数十万人の日本人が訪れていた。特に、女性には、ベトナム料理、ベトナム雑貨、格安エステなどが大人気で、リピーターも少なくなかった。
本書は、ホーチミン(旧サイゴン)への超短期(プチ)の移住を薦める形式で執筆されているが、ベトナム人気質、トラブルへの対処法、サバイバル・ベトナム語会話など、著者の実体験から得た知見や生活術満載の構成となっており、ベトナム社会やベトナム人全体への理解も進むこと請け合いである。
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