著者:五藤晴菜 (著)
ページ数:300
¥980 → ¥0
iPadの「アプリの使い方」というものは、iPadOSのバージョンが変わったり、アプリのアップデートによってどんどん使えない情報になっていってしまいます。この本は、そういう「古くなる情報」をできるだけ少なく「ずっと使える情報」が書かれた本になることを目指して作りました。
▼目次
はじめに iPadは考える力を拡張する
■ 1章 iPadのはなし
●iPadを使ったこれからの働き方
●iPadで仕事を進めるコツ
●パソコンがあっても横にiPadがあると便利なこと
●iPadアプリを使いこなすための心構え
●実は縦型レイアウトとも相性のいい「iPad」
●筆記用具がすべてiPadになってよかったこと
■ 2章 iPadで記録・日記・習慣
●iPadで1年を振り返りiPadで計画を立てる
●1年かけて1年の目標を決める
●習慣化のための仕組みや仕掛けを考える
●目標達成よりも大切な考え方
●勉強する前にまずは一度使ってみる
●2021年は「生産的な時間の使い方」を提案していきたい
●デジタルとアナログのハイブリッド!iPadバレットジャーナル手帳を1年間続けてわかったこと
■ 3章 iPadでインプット・アウトプット
●Taioを使った読書メモの作り方
●手書きノートアプリで読書記録をつける
●iPadで音声入力を快適に使うためのコツ
●iPadで2つのアプリを組み合わせて情報を参照する方法
●iPadで辞書を引きながら読み書きすると効率がいいし理解が深まる
●過去のメモがリンクでつながると便利なこと
■ 4章 iPadで整理整頓・効率化
●iPadで紙の書類を管理する方法
●なんでもデジタル化することでハマる罠
●iPadでペーパーレスを目指すなら、セットで印刷方法も覚える
●iPad×テプラの活用法とこれからのコンテンツ制作に必要なこと
■ 5章 iPadでビジュアルシンキング
●絵は「伝わればOK!」
●絵が描けないと思っている人に知っておいて欲しいこと
●iPadを使ってイメージを共有する方法
●書いている文字の色を変える効果
●デザイナーの仕事って?見えるデザインと見えないデザイン
●イラストは「造形」ではなく「印象」を似せて書く(似顔絵を上手に描くコツ)
●Apple標準メモアプリでイラストを描く時に便利なテクニック
●Apple Pencilのペン先がすぐ減ってしまう人や筆圧が弱めの人にオススメの設定
■ 付録 新しいiPadはこれまでとなにが違うのか?
●M1チップ搭載の新しいiPad Pro登場
●ミニLEDディスプレイのiPad Proは何が変ったのか?
●iPadの輝度とコントラスト比は高い方がいいの?
●厚さ6.4mmにすべての部品が収まっていることがすごい
■ おわりに
●iPad Workersについて
▼はじめに iPadは考える力を拡張する
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iPadというデバイスは、私の仕事と生活の両方で欠かせない道具になっていますが、iPadが仕事にもちゃんと使えるな、と思えるようになったのはこの2〜3年のことです。
2011年に第2世代のiPadを購入し、この頃から「iPadだけで仕事ができたらいいな」と思っていましたが、当時のiPadは「iPhoneの画面が大きくなっただけ」のものでした。便利に使えるアプリは少なく、Apple PencilもなければApple純正のiPad用キーボードもありません。
この頃の「iPadだけで仕事ができたらいいな」というのは極めて漠然としたもので、当時はまだ「iPadの何がいいのか?」「iPadで仕事をするメリットってなんなのか?」という質問への答えが自分の中にありませんでした。
そこから10年近くの月日が流れ、今の私のメインの仕事道具はiPad、と言えるくらいにはiPadを活用できるようになりました。
そうやって10年間「なぜiPadを仕事で使うことにこだわっているのか?」という問いに向き合い、ようやく答えが見えてきました。
私にとってのiPadは「考えるための道具」で、それこそが私がiPadにこだわる大きな理由だったのです。
iPadで考えるためにもっとも役に立っているのは、Apple Pencilです。
テキストを入力する、ということだけであればペンは必要ありません。ですが、文字だけでは表現できないアイデアやメモを、素早く正確に記録をするためには手書きが一番早いです。(手書きは丸で囲む、矢印を引く、などが直感的にできる)
手書き、ということだけであれば紙とペンでもできるじゃないか?と考える方もいらっしゃるかもしれません。
ですが「デジタル手書き」は、文字や図のコピー・ペーストなどのほか、描いた図の大きさを変えたり、移動ができたりといった紙では難しいことも手軽に実現できます。
また、メモをフォルダやタグで整理したり、必要な場合は検索で見つけ出したりなど、データ整理の面でもデジタルならではの強みがあります。
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■ iPadだけで仕事がしたいなら、iPadだけでできる仕事を作り出せばいい
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私が憧れていたように「iPadだけで仕事がしたい」と考えている人はたくさんいるでしょう。
ただ、ほとんどの人が結局iPadだけでは仕事ができない、と諦めてしまっています。そしてその場合、iPadをうまく仕事に使えなかった、という残念な気持ちだけが残ってしまいます。
そこで私は、少しだけ考え方を変えることにしました。
■ 置き換えではなく新しく創造する
私はある時からiPadでの作業に対し考え方を変えました。「今やっていることをiPadでできるようにする」のではなく「iPadでできる事を使って新しい仕事を自分で作り出す」ことを意識するようにしたのです。
今やっている仕事をiPadでやろうとしても、iPadでは同じことができない。じゃあ同じようなことができるアプリを見つけよう、という方法はうまくいきませんでした。
今の仕事をそのままiPadでやろうとしない。iPadで最適なワークフローというものを考えて、そこに合わせる形で仕事を組み立てていく。
考え方を逆にしてみたら一気に流れが変わりました。
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■ ワークフローを見直すきっかけに
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たとえば見積書や請求書の作成。
PCではExcelを使っていたので、iPadでも同じようにExcelアプリを使って作業しようとしていました。しかし、iPad版Excelの機能はPC版よりも少なく(マクロが動かない)同じことはできません。
ですが、そもそも見積書はExcelで作成する必要はあるのか?ということを考えてみると、私に必要なのは「見積書や請求書が手軽に作れて、相手に送付できること」です。
そうすると、見積書や請求書が作れるiPad用のアプリがあれば、Excelを使う必要はありません。実際に私は、請求書の作成はExcelを使うことをやめ、Misocaというサービスを使い始めました。
もちろん会社や仕事によってこういう自由が効かない部分はあるでしょう。
ですが「iPadは仕事道具には使えない」で終わらせずに、「できる範囲でやってみよう!」とか「こういう形ならできる!」というように、今までのフローをiPadに最適化する方が便利に働けるはずです。
iPadで今までやってきたことが便利になったというのではなく、iPadによってワークスタイルやワークフローが変わったんです。
自分がやっていることを可能な限りiPadに最適化して、ワークスタイルそのものを変える。こういう意識を持つことが「iPadだけで仕事をする」ためにもっとも重要なことです。
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■ iPadの書籍(読み物)を作った理由
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本書では、当時の私と同じように「iPadを使いこなしたいな」「iPadだけで仕事ができたらいいな」と思っている人に役立つ考え方や、そのためのiPadの使い方などを紹介しています。
iPadの「アプリの使い方」というは、iPadOSのバージョンが変わったり、アプリのアップデートによってどんどん使えない情報になっていってしまいます。この本は、そういう「古くなる情報」をできるだけ少なく「ずっと使える情報」が書かれた本になることを目指して作りました。
そして、そのための軸になるような概念や考え方をたくさん共有したいと思っています。
この本を手に取ってくださったあなたの仕事や生活が、iPadを通じて少しでもワクワクするものになれば幸せです。
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