著者:法貴 かおり
ページ数:53
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NPO法人マザーズサポーター協会に入会したのは、2008年のことです。喜田菜穂子理事長に教えを乞い、NPOの仲間と共に研鑽を重ね、様々なところで部下や後輩を育てる立場にある方向けの「コミュニケーション研修」を実施してきました。
育成する側に推されて研修に参加されるのは、能力が高く、結果を出してきた方が大半です。ところが部下や後輩は、なかなか自分と同じように動いてくれないし、結果を出してくれません。厳しく注意すると「パワハラ」と言われかねない。丁寧に指導すると、「指示待ち」になってしまう。かつて上司だった人が、役職定年になって自分の部下になり、強く言えない。その上、自分自身も成果を求められる。必ずしもリーダーになることを望んだわけでもない方々が、悩んでいる姿を見てきました。
私たちの研修では、部下の「自分で考え、当事者意識を持って主体的に行動する力」を育てていく方法をお伝えしています。上司として「どのような意識(スタンス)」もって、「どのような関わり方(コミュニケーションスキル)」が効果的なのかを、ワークやロールプレイ、グループディスカッションを取り入れながら、体感的に理解する場を提供しています。
本書は、私たちが提供する研修を受講した方の復習になればという思いから書き始めました。研修の流れと同様に
準備編:部下と会話を始める前に、上司としてもっておきたい意識(スタンス)
実践編:具体的なコミュニケーションスキル(聴く・問う・認める)
応用編:最近特に頭を悩ませている方の多い「叱り方」について
という3部構成になっています。
また、研修で出た質問と、それに対する回答も載せています。更に、学んだことを現場で実践した方の感想や事例など、生の声をふんだんに盛り込みました。結果として、研修を受講していない方にも、ただ知識を得るだけでなく、行動を起こすヒントを提供できたのではないかと思っています。
本書が、前向きな気持ちで部下育成に取り組めるきっかけになれば、とても嬉しく思います。
【もくじ】
1.はじめに
【準備編:部下と会話を始める前に】
2.上司として意識しておきたいこと
⑴過去と他人は変えられない
⑵コミュニケーションは伝わったことがすべて
⑶コントロールできないことで悩まない
【実践編:日頃のコミュニケーション】
3.「聴く」から始める
⑴聴くことが信頼関係の基本
⑵聴くことが「気づき」を生むわけ
⑶聴くには、リスクもある
4.考える力は「問い」で育つ
⑴人は質問されると考える習性がある
⑵「限定質問」と「拡大質問」
⑶「過去否定質問」より「未来肯定質問」を!
⑷自分への問いかけも意識する
5.「認める」ことが行動を後押しする
⑴褒めればやる気になる?
⑵認めるためには、観察が必要
⑶主語は「私」で伝える
【応用編:耳の痛いことをちゃんと伝える】
6.叱る
⑴何のために叱るのか?
⑵ついやりがちな不適切な指導
①「怒る」と「叱る」は違う
②怒鳴らなければいいのか?
⑶効果的な叱り方
①まずは思いを聴く
②過去と未来を区別する
③認める言葉や部下への思いを伝える
④事実はぶれずに毅然と伝える
⑤改善に向けて「考える場」を作る
⑥自己開示の勇気を持つ
⑦「何を言われるか?」より「誰に言われるか?」
⑧ケース別「年上の部下」「打たれ弱い部下」「言い訳ばかりの他責部下」「攻撃的に反論する部下」
⑷一人で抱えない
7.おわりに
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