著者:芹澤 数雄
ページ数:268
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―現象の夢から目を覚まし、われわれはわれわれ自身の主人となる―
「われわれは狂気の中にある」。カントによって、われわれが認識しうるのは感官が触発されることによって生まれる現象であり、物自体(客観)が別に存在することを明らかにしたはずであるが、いつしかそれは等閑視され、ありとあらゆる根拠なき概念を信じることで社会を営んでいる。まさに社会そのものが狂気の中にある。本書は我々を、その狂気の、あるいは独断のまどろみから目を覚まさせるべく、社会、功利主義、科学、死などを取り上げ、われわれがいかに無根拠な世界に生きているのかを明らかにする。
[目次]
はじめに
1 出発点を問う
1-1 出発点を吟味する
1-2 出発点の認識へ戻る
1-3 システム、認識を問う
1-4 根拠を失った社会を問う
2 認識を問え、自己を問え
2-1 われわれは現象を認識しているにすぎない
2-2 われわれはあるがままを認識してはいない
2-3 物体は幻想だ、実在ではない
2-4 私は幻想だ、実在ではない
2-5 私は主人ではない
1 認識している私は主人ではない
2 意志決定する私は主人ではない
3 行動する私は主人ではない
4 感ずる私は主人ではない
5 考える私は主人ではない
3 認識は生まれた
3-1 進化が自我の認識を生んだ
3-2 認識は無前提ではない
4 欺瞞と隠蔽のイデオロギーを問え
4-1 欲望主義、功利主義を問え
4-2 欺瞞と隠蔽で武装するイデオロギー
〈科学至上主義〉
〈経済至上主義〉
〈自由主義〉
〈福祉主義〉
〈平等主義〉
〈民主主義〉
〈市場主義〉
〈政治主義〉
〈国家主義〉
〈雇用主義〉
〈客観主義〉
〈競争主義、協調主義〉
〈平和主義〉
〈有用主義、便利主義、進歩主義〉
〈相対主義〉
5 科学を問え
5-1 科学は本質的問題に答えていない
5-2 科学の認識は問われていない
5-3 あろうことか、科学は哲学、宗教の主人となった
5-4 哲学なき学問は学問ではない
6 死を問え
6-1 死の恐怖と直面せよ
6-2 死を実在すると勘違いする
6-3 死の恐怖は生を隠す
6-4 認識の木は死の木だ
7 幻想から覚めろ
7-1 幻想から覚める
7-2 非対象的認識を問う
7-3 主客未分離を知っている
7-4 背景があっての風景だ(脳を超える)
むすびにかえて
著者紹介
[担当からのコメント]
たとえば貨幣経済のように、虚構を真実(本物)のように扱うことで社会が回っている例は私たちの周りにたくさんあります。本書は、こうした日常にはびこるある種の狂気、隠蔽された社会の狂気を哲学の力で明らかにしていきます。お仕着せの哲学ではなく、自ら考える哲学を求める方におすすめしたい一冊です。
[著者紹介]
芹澤 数雄(せりざわ・かずお)
1948年 静岡生まれ。
1977年 一橋大学大学院経済学研究科博士課程修了
現 在 福岡大学経済学部名誉 教授
専 門 金融論、経済哲学
著 書
『自己愛の経済学序説』(北樹出版、2004年)
『反科学を超えて』(北樹出版、2010年)
『ニヒリズムを超えて』(北樹出版、2010年)
『認識を問う』(中川書店、2013年)
『人間を問う・欲望を問う』(北樹出版、2013年)
『学問を問う・科学を問う・真理を問う』(北樹出版、2015年)
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