著者:杉尾哲
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一ツ瀬川は、宮崎県椎葉村を源流とし、西米良村を流下して、いくつかの支川を集めた後、九州最大の一ツ瀬ダムと杉安ダムを流下し、杉安渓谷を流れて平野部の水田地帯を緩やかに東流し、水系最大支流の三財川と合流して日向灘に注いでいる。
この流域では、1963年に一ツ瀬ダムが運用開始された直後に長期濁水が発生して以来、長年にわたって濁水長期化が顕在化し、下流域に影響を及ぼしている。この濁水問題の解決に向けて、これまでにも様々な対策が講じられてきたが、対策が限定的であったため、近年増加する大規模出水には対応できず、濁水期間の短縮を図ることができなかった。そのような中、2006年から濁水問題の解決に向けて産官学民が一体となった様々な調査や情報の集積が行われ、その検討の成果として、これまでの対策を見直し、新しい技術的対策がまとめられた。この成果は、流域住民やいろいろな行政機関・団体の理解を得て、上流域・中流域・下流域の関係者が一体となって取り組む新たな対策となっている。その新たな対策は、全国に誇れる貴重な知見や情報であり、日本各地においてダムの濁水問題で苦慮している地域住民、行政、そして管理者らに対しても有益なものになりうると確信している。
本書では、流域一体となった新たな取り組みの構築に向けて提案することを目的として、森林学や地質学からの視点による原因解明、これまでの具体的な濁水対策の事例から最新の対策技術について、流域環境の視点から取りまとめている。
今後、この本が活用されることにより、日本各地のダムの濁水問題の解決が図られるだけでなく、新たな川と人との係わりの構築に向けて新しい段階に入るための一助になれば幸いと考えている。
この流域では、1963年に一ツ瀬ダムが運用開始された直後に長期濁水が発生して以来、長年にわたって濁水長期化が顕在化し、下流域に影響を及ぼしている。この濁水問題の解決に向けて、これまでにも様々な対策が講じられてきたが、対策が限定的であったため、近年増加する大規模出水には対応できず、濁水期間の短縮を図ることができなかった。そのような中、2006年から濁水問題の解決に向けて産官学民が一体となった様々な調査や情報の集積が行われ、その検討の成果として、これまでの対策を見直し、新しい技術的対策がまとめられた。この成果は、流域住民やいろいろな行政機関・団体の理解を得て、上流域・中流域・下流域の関係者が一体となって取り組む新たな対策となっている。その新たな対策は、全国に誇れる貴重な知見や情報であり、日本各地においてダムの濁水問題で苦慮している地域住民、行政、そして管理者らに対しても有益なものになりうると確信している。
本書では、流域一体となった新たな取り組みの構築に向けて提案することを目的として、森林学や地質学からの視点による原因解明、これまでの具体的な濁水対策の事例から最新の対策技術について、流域環境の視点から取りまとめている。
今後、この本が活用されることにより、日本各地のダムの濁水問題の解決が図られるだけでなく、新たな川と人との係わりの構築に向けて新しい段階に入るための一助になれば幸いと考えている。
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