【無料で読める】立ち上がる新産業革命: スマート化の夜明け最新版

　新しい産業革命が本格的に立ち上がり、歴史的な年になると見込まれていた2020年は、新型コロナウイルスパンデミックにより、別の意味でも歴史的な年になった。このパンデミックが顕在化させたことは、この10年程度模索されてきた社会のスマート化へ向けての活動が、安心・安全で快適な社会実現の切り札であることであり、この共通認識のもと、2021年から本格的な投資がスタートする見込みであることが、本書で示されている。

　そのスタートのために対応すべき課題として、この本の出版時に課題となっている製造現場や、医療現場が示すように、日本社会の特徴であるフィジカル面の強さが最大限生かされていないことを取り上げ、そして、その対策として、フィジカル面の強みを徹底的に強化するとともに、現場視点でサイバー空間の活用を推進することを提案している。

　著者は、大手電機メーカでグローバル最前線の顧客や技術者と懇談することに加え、政府の各種委員会にも参加してきており、最前線の内容を網羅的に把握した上で、これまでの主要な流れ、今後重要になる点にまとを絞り、上記の新しい時代へ向けての千載一遇のチャンスを生かすことを提案している。