著者:鴇沢 忠治
ページ数:140

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[商品について]
――明治時代最大の洪水が起きた明治43年に起きた天文現象は、次のどれでしょうか。
1.金環日食、2.ハレー彗星の接近、3.皆既月食
正解は、本書「1 明治時代最大の洪水『明治43年の洪(おおみず)』」をご覧ください。
明治時代、関東・甲信・東北地方の太平洋側を中心に、河川の破堤・氾濫・山崩れによって甚大な被害をもたらした「明治43年の洪(おおみず)」。本書は、その大水害について、千曲川が氾濫した長野県埴科郡屋代町(現千曲市屋代)とその周辺の当時の状況を、遺された資料をもとに具体的に記録した作品である。日本の水害とその備えを知るうえでも、貴重な内容となっている。

[目次]
はじめに
第1章 明治時代最大の洪水「明治43年の洪(おおみず)」
第2章 当時の屋代はどんな町だった?
第3章 ドキュメンタリーな役所の記録 「埴科水害誌」を読む
(1)概説
(2)埴科郡役所日誌
(3)屋代警察署記録
(4)松代警察署記録
(5)埴科郡内の被害
(6)屋代の消防組
第4章 生々しい村民の実見録 「雨宮県(あめみやがた)村誌」を読む
第5章 信越線千曲川橋梁が両郡の頼みの綱 鉄道院:「明治43年水害記事」を読む
(1)緒言
(2)信越線の状況
(3)坂城・屋代間の状況 〈当時戸倉駅はまだなかった。〉
(4)屋代・篠ノ井間の状況
(5)鉄路を繋(つな)いだ屋代の青年達
(6)信越線はなぜ松代を通らなかった?
第6章 堤防が決(き)れて万歳を叫ぶ話 草加や東京下町の証言を読む
(1)穀倉地帯の証言を読む
(2)東京下町の証言を読む
第7章 時の大人物が水害に遭遇した話 桂太郎の逸話や渋沢栄一の日記を読む
(1)軽井沢に閉じ込められた総理大臣の逸話を読む
(2)姨捨の車窓に何を見たか 渋沢栄一の日記を読む
第8章 長い歳月と犠牲の上に成った千曲川現堤防
おわりに
補足資料
補足資料
付図など
埴科水害誌の舞台埴科郡役所管内を見る
千曲川と屋代の変遷を国土地理院の地形図で見る
明治時代の桑園と蚕種業の分布から千曲川の風を読む
千曲川と屋代周辺の地表を空中写真で読む 昭和22年撮影
千曲川と屋代周辺の変貌を空中写真で見る 平成22年撮影
明治時代最大の洪水があった明治43年8月の降水量を見る
観測史上最高を更新した令和元年台風19号の降水量を見る
明治43年8月と令和元年10月の水害 酷似した被害分布を見る
参考にした文献・資料など
転載または引用をした文献や資料
参考にした文献や資料
図書類・地形図・空中写真のコピー等の提供を受けたウェブサイト
情報の収集や確認のため閲覧したウェブサイト
屋代を語る会刊行誌「やしろ4~26号」の中で本稿と関連していると思われる記事
その他

[出版社からのコメント]
地球温暖化の影響により年々その規模と件数を増してゆく水害。大雨による河川の氾濫、台風による高潮などによる被害は拡大しているように思われます。天災は何時起こるかは分かりません。ただ起こってしまった時、災害に対する備えをしていれば、被害も少なくすることができるのではないでしょうか。過去の災害を知ることも、備えの一部だと思いますし、風化させてはいけない事だと思います。本書を読んでいただき、読者の皆様の防災意識への関心を持っていただければ幸いです。

[著者紹介]
鴇沢忠治(ときざわ・ただはる)

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