著者:山上 たつひこ
ページ数:211
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『がきデカ』は日本漫画の燦然と輝く金字塔的作品であり、現在にまで繋がるギャグ漫画はここから始まったと言って過言はないでしょう。
社会現象とも言える大ブームになり、こまわり君による「死刑!」は流行語にもなりました。単行本(全26巻)の累計発行数は3000万部を越え、 掲載誌であった「週刊少年チャンピオン」を日本漫画界初の200万部へと押し上げたことでもその人気のほどはおわかりいただけると思います。
今回の電子書籍化にあたり、底本を「秋田書店版(初版)」と『がきデカTHE BEST』(全3巻、小学館クリエイティブ)とすることに致しました。
『がきデカTHE BEST』は基本的に直接原稿からスキャニングされたものであり、掲載誌(「週刊少年チャンピオン」「月刊少年チャンピオン」など)にあたって校正をし、著者による校正もおこなったため、『がきデカTHE BEST』に収録された作品を全面的にいかしております。
その他の作品については、秋田書店版の「初版」を底本にしております。
ただし、当時の出版界の慣習でもあったようですが、秋田書店版は掲載順がアバウトで(発表順ではないのです)、これを雑誌掲載順と致しました。
また、秋田書店版の二刷以降の単行本に、クレーム対応のためだったのでしょうか、原稿に改稿されている箇所が複数散見されましたため、著者と話し合いの上の、秋田書店版からの収録は「初版」から収録致しました。
これが戦後民主主義の一つの成果との言われた『がきデカ』です。
鶴見俊輔がこう発言をしているそうです。
〈あの『がきデカ』というのがみんなに読まれているうちは、ああ、日本人にはこういう人がいるんだな、日本ってこんなんだなという自画像をもっているうちは、まだまだ安全だと思っているんですよ。「正義のために戦え」とか、「聖戦」とかいうふうにして戦争の態勢をつくるところまでにはまだ一歩あるなという感じがするのです〉(鶴見俊輔「マンガの歴史から」)
『がきデカ』は、もしかしたらこういう意味でも、「いまこそ」読まれるべき作品だと思ったりもしますが、
そんなことはともかく、まずはこの作品を読んで笑ってください。
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