著者:神保喜利彦
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寄席で人気の色物の一つに「紙切り」がある。演芸ファンなら一度は見た事があるだろう。
「紙切り」の演題通り、その時々の季節や行事、客のリクエストを鋏と紙だけで切り分けていく芸である。頓知と即興性、何でも切り分ける技量、そして客を飽きさせないスピードと話術が求められる――複合体のような芸と言っても過言ではないだろう。
その芸術性の高さは世界からも注目される程である。
かつては後継者が数人しかおらず、廃絶の危機に瀕していたともいうが、林家正楽を筆頭に各位の奮闘で今や数十人近い芸人が寄席や余興の舞台で活躍している。
寄席や演芸での人気と裏腹に、その紙切りの研究や紙切り芸人たちの素性はほとんど明らかになっていない。初代林家正楽、二代目林家正楽が少し紹介されるばかりで、後の紙切り芸人は「いたらしいけど素性不明」といった形で処理されている。
色物芸人の宿命とはいいながら、林家正楽一門以外にも当然紙切り芸人は存在した。そんな歴史の軸から外れてしまった「紙切り師」たちを十数名集めて、その活躍年代や逸話をまとめたものがこの本である。
寄席や巡業、余興など様々な領域で活躍した紙切り師たちの姿を少しでも理解できれば幸いである。

〇登場人物一覧
「戦前の関西で活躍した紙切り師たち」
・巴家おもちゃ
・鶯宿亭楳陽
・水量軒アヒル
・桂南天
・桂九團治
・松葉家奴

「戦前の関東で活躍した紙切り師たち」
・高松虹天
・柳亭鏡之助
・五明楼玉の助
・三遊亭円雀

「戦後の東京で活躍した紙切り師たち」
・小倉一兆
・花房蝶二
・三遊亭小円雀

「戦後の関西で活躍した紙切り師たち」
・香味喜利平
・泉虹天
・晴乃ダイナ

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