著者:本田進一郎
ページ数:156

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自然農法について調べ始めたのは、20年くらい前のことだ。一番の理由は、福岡さんが存命のうちに、会って話を聞いておかないと、二度と聞けなくなると思っていたからだ。有機農業や自然農法についての本は山ほど出版されているが、読んでみて、「なるほど」と思える本はほとんど無い。有機農業の理論については、『農業聖典』を超えるテキストはないし、自然農法では『無』以上の本は存在しない。両方とも70年も前の本だ。・・・

目次

序、自然農法を書く理由
1、有機農業の黎明
   ルドルフ・シュタイナー
   アルバート・ハワード
   F・H・キング
   イブ・バルフォア
   J・I・ロデイル
   ハンス・ミュラーとマリア・ビグラー
2、環境問題とオーガニック市場の成長
   レイチェル・カーソン『沈黙の春』の衝撃
   IPM(総合的病害虫管理)の始まり
   生物多様性
   オーガニック市場の急成長
3、リン資源の枯渇
   リン獲得のコスト
   リン施用の歴史
   リン資源の枯渇
4、福岡正信
   自然農法のはじまり
   懐疑=「知」のゆらぎ
   宗教
   自然農法の四大原則=結果の可能性と可用性
   耕耘
   肥料
   雑草
   病害虫
5、クローバー草生米麦連続不耕起直播
   作業手順
   品種
   雑草対策
   粘土団子
   肥料
6、農業技術者、農業指導者としての福岡正信
   現代の農業に与えた影響
   二人しかいない福岡さんの弟子
   浅野祐一さん
   付記
7、川口由一
   自然農を開始するまで
   自然農の稲作り
   草が土を肥沃にする
   赤目自然農塾
   付記
8、木村秋則
   リンゴの自然栽培
   草生栽培と病害虫
   草生栽培と栄養素(養分)
9、エネルギーとエントロピー
   ハワードの自然観
   福岡正信の自然観
   現代人が生きる世界
10、補、腐植栄養説と無機栄養説
   アルブレヒト・テーア
   カール・シュプレンゲル
   ユストゥス・フォン・リービヒ
   有機態窒素を吸収する作物
11、補、窒素を固定する生物
   マメ科作物の利用の歴史
   窒素固定菌の種類
   根粒菌
12、補、難溶リンを吸収する植物
   土壌中のリンの形態
   難溶リンを吸収できる植物
あとがき
文献

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