著者:小さなヨハネ
ページ数:21

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「まえがき」より
読書案内としてトマス・ア・ケンピス『キリストに倣いて』、マリア・ヴァルトルタ『私に啓示された福音』をご紹介しました。しかし霊的世界の入門である肝心のスウェーデンボルグ(1688~1772)がまだでした。それはスウェーデンボルグの本はたくさんあって、一冊にするにはどれがいいか迷っていたためです。

しかし、霊的な物事を考えるうえで天界と地獄について知ることは基本中の基本です。来世を抜きに人間の死について、神について、宗教について、人生の意義について語ることは出来ません。主は福音書の中で永遠の生命(ヨハネ6・40、8・51、11・25-26他)、や天界と地獄について(ルカ16・23、23・43、ヨハネ14・2-3他)何度も触れておられます。黙示録にも登場します(20・14、21・4、6-8、27、22・15他)。また主御自身が復活されたのです(マタイ28・9他)。パウロも第三天界に挙げられた人のことについて書いています(コリント2・12・1-12)。

これらのことを抜きにキリスト教を語ることはナンセンスです。学者ほどあの世を信じないそうです(霊界日記5245「人間は死後も生きる」)。ですから彼らのキリスト教についての解説を読んでも霊的なことを学ぶことは不可能でしょう。見神者(霊眼が開かれ、神を見た人)による啓示書を読む必要がある所以です。しかし、霊的物事を知るための入門書としてやはりスウェーデンボルグの『天界と地獄』をお薦めしたいと思います。古今東西、死後の世界について書かれたものの中でスウェーデンボルグの『天界と地獄』は恐らくその質、量ともに傑出しているでしょう。まさに教科書のようなものです。これを読まずに霊的物事は論じられません。まさに初歩の初歩、基礎の基礎です。

ちなみに、あの見神者サンダー・シング(1889~1929)もスウェーデンボルグを評して次のように語ったそうです。

ミルトス/河合一充・廣岡結子訳/A.J.アパサミー著/インドの聖者スンダル・シング/P310
<スウェーデンボルグの著作に出合う>
「『霊界の黙示』の出版は、新しく不思議な結果をもたらした。わたしが1928年にスンダル・シングと会ったとき、彼はスウェーデンボルグの著作についてとても情熱的に語った。スウェーデンボルグ協会は、スンダル・シングの体験はいくつかの点でスウェーデンボルグの体験と似ていると指摘し、スウェーデンボルグの著作を彼にいくつか送っていた。そして彼はそれらの著作を、非常に興味深く読んでいた。スンダル・シングはわたしにこう語った。
『スウェーデンボルグは偉大な人間であり、哲学者であり、科学者であり、何よりも明確な幻を見たひとでした。わたしは幻の中で彼とよく話をします。彼は霊界の高い地位にいます。彼はすばらしい人物ですが、控えめで、いつも喜んで奉仕します。わたしも霊界のすばらしい事物を目にしますが、スウェーデンボルグのようにそれを正確にうまく表現することができません。彼は才能にあふれ、修行をつんだひとです。彼の本を読んで、彼と霊界で親しくなったので、彼が幻を見た偉大なひとであることを保証します。』」

スウェーデンボルグの本の中でも『天界と地獄』は最も読みやすく興味も惹かれる内容となっています。また霊界の事物以外に、主(イエス・キリスト)が唯一の神御自身であること、天界へ行くための方法など、基本的な事柄が網羅されており、素直な人でこれを受け入れることが出来る方であれば、スウェーデンボルグはこの一冊で充分と思います。

また、文中に注として彼の主著である『天界の秘義』から膨大な参照箇所を挙げており、スウェーデンボルグ入門書であると同時に集大成とも言える本かと思います。なお、キリスト教に興味や疑問をお持ちの方で、もっと知りたいと思われるなら、『真の基督教』も併せてお読みになれば新しい知識が得られ、様々な疑問は払拭されるでしょう。

『天界と地獄』の読み返しが出来ていないこともあって書くのをためらっていたのですが、いつまでも放っておくより総論だけででもお薦めしようと思い至りました。内容の詳細については省きます。具体的内容は皆様が直接読まれる方が早いし、確実です。またすでに天界と地獄について少しご紹介しました(「人間は死後も生きる」)。そちらもご参照くださればありがたく。機会があれば細かい内容についてまたご紹介したいと思います。

ところでサンダー・シングがミルクの成分を詳しく説明してくれた化学者に、あなたの3歳のお子さんの方があなたより賢い、あなたはミルクを飲まずに腐らせているが、あなたのお子さんはミルクの成分は知らないが、ミルクは甘く、飲むと栄養があることを知っていて飲んでいますと言ったそうです(徳間書店/林陽編訳/サンダー・シング/イエス・キリスト封印の聖書/P382)。

私は記憶力、理解力が弱く、文章を上手に要約するのが苦手です。3歩歩くともう忘れるニワトリのようです。しかしニワトリは卵焼きの材料の卵を産みます。私は何も産めませんが、スウェーデンボルグの『天界と地獄』は卵焼きのように誰にでも美味しく、読むと大変栄養になることを知っています。

拙いご案内が皆様が『天界と地獄』をお読みいただくきっかけとなれば幸いです。

目次
まえがき
1.霊的とは善と真理のために善と真理を求める情愛のこと
2.私たちは再生して霊的なものとなって初めて自然的レベルのことが理解できるようになる
3.天界と地獄の性質を知らない者は人間の心の性質を理解することは全然出来ない
4.死に対する不安を解消してくれる
5.単なる勉強不足
6.宗教、信仰をイワシの頭も信心からと思うのは誤り、真実であると直感するからこそ信じる
7.古代、真理と信仰とは同じ言葉アーメン、アムーナだった
8.材料の倉庫は最高度に必要なもの
9.『天界と地獄』が最も親しみやすい
10.『天界と地獄』はこれ一冊で相当な大部
11.『天界と地獄』はスウェーデンボルグの入門書、釣りにおけるフナ、寿司における卵焼き
12.卵焼きのように親しみやすい『天界と地獄』にはスウェーデンボルグのすべてが集約され、完成されている
13.『天界と地獄』を読んで主が神御自身であることを知る
14.再生は知り、理解し、欲し、行うの順
15.スウェーデンボルグを読まずにキリスト教や人間や人生を考えることは出来ない
16.単純で素直な人ならスウェーデンボルグは『天界と地獄』一冊で充分
17.もっとキリスト教を学びたい方、従来のキリスト教に疑問を抱いている方には『真の基督教』
あとがき

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