著者:小さなヨハネ
ページ数:67

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まえがきより

今回の基礎知識シリーズは「聖言(みことば)」です。聖言はスウェーデンボルグの教義中ハイライトの一つです。聖言という極めて重要な概念について彼は一から教えてくれます。

聖言とは神から啓示された言葉であり、端的には聖書の言葉です。しかし、スウェーデンボルグによれば聖書すべてが聖言ではありません。それは文字上の意義に内意(霊的意義)が含まれているかによると。例えば旧約聖書ではヨブ記、箴言、コヘレトの言葉、雅歌等は含まれません。新約聖書では使徒たちの手紙類は含まれません。

スウェーデンボルグは以下で聖書、聖言について解説しています。

静思社/柳瀬芳意訳
*『聖書』全109頁・・・旧約聖書、新約聖書から引用し聖書、聖言を説明

*『白馬』全34頁・・・黙示録19章の白馬について説明、白馬とは聖言の内意を理解することを意味

*『新しいエルサレムとその天界の教義』(以下「新エルサレムの教義」と省略)249-266 聖書または聖言

*『主の聖言―経験から―』・・・『仁慈の教義―遺構―』に併録

*『天界と地獄』303-310 聖言による天界の人間との連結

*『真の基督教』上巻第4章189-276 聖書、即ち、主の聖言

*『天界の秘義』
第4巻 1767-1777、1869-1879、1886-1889、1984
第5巻 2135、2310-2311
第6巻 2606-2609、2760-2763 
第7巻 2894-2900、3004-3011
第27巻 10318-10325 
 
『天界の秘義』はこれ以外に全編を通じて聖言について説明しています。「新エルサレムの教義」は『天界の秘義』の要約、あるいはインデックスやコンコルダンスと思われます。

一部抜粋させていただきご紹介します。十分ではありませんが、興味を持っていただくきっかけとなれば幸いです。

目次
まえがき

1.啓示であること

・真理が『聖言』により意味されているため、啓示がことごとく意味され、かくてまた聖言それ自身が、または聖書が意味されている
・聖書はその最小の一点さえも霊感を受けており、その凡てのものの中には全般的にもまた個別的にも天界のアルカナが存在している
・私は主のみから一切を得た・・・スウェーデンボルグ
・モーセが祈願したことは実際モーセの口から発してはいたものの、主から発していた
・予言者たちは内意の意味していることを何ら認識しなかった

2.啓示がなくては人間は永遠の生命や神について何事も知ることは出来ない

・神的なものから与えられる啓示がなくては、人間は永遠の生命について何事も知ることは出来ないし、実に神についても何事も知ることは出来ない

3.どの書が聖言か

・モーセの五書、ヨシュア記、士師記、サムエル記前後書、列王記略上下、ダビデの詩篇、予言者イザヤ、エレミア、哀歌、エゼキエル、ダニエル、ホゼア、ヨエル、アモス、オバデヤ、ヨナ、ミカ、ナオム、ハバクク、ゼパニア、ハガイ、ゼカリア、マラキであり、新約聖書では、マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネの四福音書と黙示録

4.歴史的な聖言

・歴史的なものについては創世記の最初の数章におけるものを除いては歴史的に真実であるがそれらは内意を含んでいる
・歴史的なものを記している言葉の各々が表象的なもの

5.主から発する真理

・聖言は一点一画もことごとく神的な聖いものである
・主の神的摂理により、聖言は凡ての点で全く完全に保存されている

6.内意があること

・内意が書物を純粋な聖言に属するものとする唯一のもの・・ヨブ記について
・人間の観念と言葉とは自然的なもの、それで天使たちに用いられるために霊的意義である内意が存在している
・こうした言葉は文字の意義に従って理解してはならないことを、たれが認めることが出来ないであろうか
・何よりもまず心得てほしいのは、聖書の預言は何一つ、自分勝手に解釈すべきではないということです(ペトロ2・1・20-21)
・霊的な意義が開示されなかった理由
・聖言は(人が)聖言を通して天界と連なり、また連結するためにはそれ以外の文体で記されることはできなかった

7.聖言の文字の意義

・聖言の文字の意義は主の天的な霊的なものを容れる容器
・聖言はその文字の意義によってその完全さと聖さと力を得ている
・「これはわたしの愛する子である、これに聞きなさい」(マタイ17・5)・・・天界からくる言葉と答えはすべて聖言の文字の意義に在る最も外なる物[究極的な物]により専ら行われる。なぜならそれは主から完全なものとして作られているから
・人間は聖言の文字の意義から発している真理によって改良され、再生されると同時に地獄から引き出されて天界へ導き入れられる

8.霊的意義は明るくされた者以外に把握されない

・聖言の純粋な意義は明るくされている者以外の者によってはたれからも把握されはしない、そして主に対する愛と主に対する信仰との中にいる者たちのみが明るくされる
・再生した人間は、自らが聖言の霊的な意義の中にいて、そこから明るくされていることを知っていない
・かれが途方にくれる所では、他の記事から理解を与えられる
・単純な善の中におり、また単純に聖言をその文字の意義に応じて信じている人間は他生で天使たちから教えられると真理を認識する能力を与えられる

9.聖言の中身は無限

・聖言には人間には理解出来ない無数の事柄が含まれている
・聖言の凡ての細目に無限があることを、すなわち細目の凡ての中に天使自らも究め得ない無数のものが含まれている
・反対の意義がある
・矛盾した記述
・極めて些細な言葉であっても冗漫で空虚なものは一つとしてない
・天的なものが語られているときは、霊的なものもまた語られている
・聖言はそれ自身では、主に対する愛と隣人に対する仁慈の教義以外の何ものでもない

10.主について書かれている

・聖言は主について書かれている
・聖言の最も内なる、または最高の意義では、主のみが、またその人間的なものの栄化が取扱われている

11.主はみことば

・初めに言(ことば)があった(ヨハネ1・1)
・主はみことば
・「神を見る」ことは聖言の中にのみ起る

12.聖言は天界にもある

・聖言は諸天界にも在る
・聖言は単に人間のためのみでなく、霊たちと天使たちのためにも記されている
・天使たちもまた聖言を持っていて、地上の人間と同じようにそれを読んでおり、そこからまた天使たちの教義的なものが生まれ、そこから彼らは教を宣べている。聖言は同一であるが我々の文字の意義である自然的な意義は天界にはなく、内意である霊的意義がある

13.天使と人間をつなぐもの

・聖言は人間を主に結合させ、天界を開くもの
・聖言は天と地を結合する手段
・聖言には天使たちに対しては霊的な内意が在り、人間に対しては自然的な外なる意義が在る。ここから聖言により天界は人間と連続している
・聖言は記されたからには、主はそれにより人間に語られる
・その内意の中にいる天使たちの情愛が伝達されるため、かれを感動させるために、聖言が人間に与えられている

14.聖言の理解

・聖言の理解[聖言を理解すること]が教会を作る
・エフライム・・・聖言に対する理解
・聖言に対する理解はその真のものも誤ったものも予言者の書には、特にホゼア書には『エフライム』により記されている

15.聖言の歴史

・洪水以前に存在した最古代教会における聖言は書かれた聖言ではなくて、その教会に属している凡ゆる者に啓示された
・天的な教会が存在した最古代には聖言は存在しなかった、その教会の人々は心に聖言を刻み付けられていたから

16.その他

・それが人間により読まれる時、特に小さな少年や少女により読まれる時は、それが昇るにつれ、徐々に益々美しいまた歓ばしいものとなり、遂にはそれは主の前に人間の像として示される
・もし彼が(虚偽に取り憑かれた者が)聖言に触れるならば、大爆発が続いて起こり、彼は部屋の一隅に投げ出され、そこにしばらくの間死んだように横たわる
・『髪』により聖言の文字の意義が意味されていることは霊界にいる者らから明白に現れており、聖言の文字の意義を軽べつした者らはそこでは禿げ頭になって現れるが、聖言の文字の意義を愛した者たちは似つかわしい髪をもって現れている

あとがき

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