著者:湯之上 隆
ページ数:232

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 1980年代半ば、半導体は「産業のコメ」と言われ、日本の半導体産業は世界市場で5割以上のシェア獲得し、自動車産業と並ぶ日本の基幹産業だった。しかし、それから20年あまり、いまや日本の半導体産業は、ほぼ壊滅してしまった。DRAM生産でただ1社残ったエルピーダメモリも、2009年6月30日、産業  再生法の第1号認定を受け、公的資金300億円が注入されることが決まった。 なぜ、日本の半導体産業は、ここまで凋落してしまったのだろうか?著者は、半導体産業のピーク時に日立製作所に入り、以後、16年間、現場で技術開発を担当。その後、社会科学者に転じて、凋落の原因を追求してきた。 日本の半導体産業の凋落原因は、ひと言で言えば「過剰技術・過剰品質」(という病気)にある。最高の技術で最高の製品を作っても、それを買う買い手がいなければ産業は成り立たない。ここに、日本半導体産業が陥った「イノベーションのジレンマ」があった。 本書は、半導体産業の凋落の原因を徹底解明し、「ものづくり国家」日本が陥った罠を描くとともに、このジレンマから脱出するための処方箋を提示する。 この問題は、なにも半導体産業だけの問題に限らず、日本の産業すべてに言えることではないだろうか?————-はじめに第一章 過剰技術、過剰品質(1)日本半導体業界の定説(2)半導体生産に関する技術には3階層ある(3)現在の日本の技術力は?(4)日本は過剰技術で過剰品質の製品を作っている第二章 イノベーションのジレンマ(1)日本がDRAMで世界一になった理由(2)韓国のキャッチアップ(3)韓国に負けた日本半導体メーカーの言い訳(4)イノベーションのジレンマとは?(5)日本半導体産業のジレンマ第三章 海外収益メーカーとの違い(1)利益率が低い日本半導体メーカー(2)インテルと日本メーカーとの違い(3)韓国サムスン電子の組織(4)世界を牽引する台湾のファンドリーTSMC第四章 自ら陥った4つのジレンマ(1)コンソーシアムのジレンマ(2)合弁会社のジレンマ(3)日本の組織のジレンマ(4)日本メーカーの特許のジレンマ第五章 装置メーカーとの共退化現象(1)共進化現象(2)露光装置(3)絶縁膜ドライエッチング装置第六章 ネジクギになった半導体(1)世界一周してみました(2)BRICsリポート(3)半導体の微細化はどこまで続くのか?(4)半導体の微細化が止まった世界とは?(5)IT革命とはなにか?(6)半導体産業の未来おわりに著者プロフィール————-著者:湯之上隆*本書は『日本「半導体」敗戦』(光文社 、2009/8/20、ISBN:978-4-334-93469-9 C0055 )を電子版発行にあたり再構成したものです。

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