著者:倉橋 隆行
ページ数:56
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はじめに
1、アプローチ
2、契約締結
3、虚勢
4、追い込み
5、脅迫
6、信頼回復
7、個別相談
8、現地調査
9、方針決定
10、建物明渡請求訴訟
11、法廷
12、強制執行前の交渉
13、差押
14、最終交渉
15、強制執行、明渡断行
16、事件終結
【本の紹介内容】
これはバブル経済が崩壊した直後に起こった「不動産投資」を装った詐欺事件である。
不動産価格が高騰に継ぐ高騰を続けた、日本のバブル経済。
銀座などの土地は一週間単位で坪単価が数百万円も値上がりを続け、日銀は一九八九年五月頃から公定歩合を引き上げて地価高騰の抑止策を打っていたが、結局、あまり効果がないと判断し、一九九〇年四月に「総量規制」を行なった。
この総量規制とは、大蔵省(現財務省)銀行局から、一九九〇年三月末に通達として出されたもので、全国の金融機関は四半期ごとの不動産業界向けの融資残高を、貸出残高全体の伸び率以下に抑えることが義務づけられてしまい、それまで無制限だった土地担保融資の拡大が、突如、縮小に向かい、建設、不動産に大きなダメージを与えてしまった。
この規制は、とにかく酷いものであった。
土地を購入して建物を建築している最中に、金融機関からの建築資金融資が止まってしまったり、証書貸付の資金を一気に引き上げる、いわゆる貸し剥がしによって企業が倒産に追い込まれたりと、とても尋常なものではなかった。
借金を繰り返して資産を増やしてきた、いわゆるバブル長者達は、資産が急激に縮小して、一気に借金地獄に追いやられ、やがて破産する羽目になり、バブルのヒーローたちは、ことごとく世間から抹殺されていった。
ここでは詳細に触れないが、このような行き過ぎた金融引き締め政策によって資金繰りが悪化したものたちが、数多くの事件を巻き起こしていた。
不動産業者も例外ではなく、誤った選択によって起してしまった失敗を、また誤った選択によって取り戻そうとして失敗する。
バブル経済崩壊直後、冷静さを保てない日本経済全体が犯してしまった過ちによって、善良な人々が事件に巻き込まれていった。
この事件は、そんな時代背景のなかで起こった、小さな詐欺事件である。
本書は、現実にあった事件をもとに再現して書かれてはいますが、
登場人物や場所、その他、構成を大きく変更させて頂いております。
また、当時の当事者の心象などは、想像によるところも含まれております。
従いまして、フィクションとしてお楽しみ頂ければ幸いです。
ただし、著者、および当社社員は、実在する人物です。
不動産コンサルタント始末記というタイトルの関係上、
コンサルタントを中心に、ストーリーを組み立ててあります。
登場人物の当時の心象の変化なども書かれておりますが
当社に関連するもの意外は、すべて架空の企業や人物です。
倉橋 隆行(くらはし・たかゆき)
株式会社シー・エフ・ネッツ代表取締役。
自ら不動産投資を実践し、国際ライセンスのCPM (米国公認不動産経営管理士)の資格を日本で初めて海外受験により取得。不動産コンサルタント会社など8社を経営。
「お金に困らない人生設計 住宅・教育・介護」(朝日新聞出版)、「これであなたも大家さん! 」「実践サラリーマン大家さん! 」他(弊社刊)不動産投資、相続関連の著書多数
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