著者:宮崎一郎
ページ数:549
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龍国日本FAR EAST DRAGON JAPAN
「昔も、今も、将来も日本列島は龍の国」「波乱に満ちた旅路の果ては龍の国」
プロローグ 龍に出会った
うたた寝の中で
なるほど龍だ
龍か.....!
第一部 龍との出会いまでの長い旅
第一章 遊び三昧の幼年時代
第二章 ワルでケンカ三昧の少年時代
第三章 ツッパリの青年時代
第四章 大学はデザイン科へ進学
第五章 外資系会社のデザイナーに就任
第六章 いよいよ待ちに待った渡米へ
第七章 高校の同級生とあっさり結婚
第八章 企業買収、解雇、そして再就職
第九章 東南アジアでの薄氷を踏むビジネス
第十章 いよいよ独立へ、そしてその志
第十一章 貿易業に手を拡げて大損害
第十二章 円高に苦しみ、台湾進出
第十三章 スタッフを育てることの難しさ
第十四章 台湾でのデザイン料設定から新たな問題発生
第十五章 香港の事業者と支払いをめぐりトラブル
第十六章 信頼できるアドバイザーと二人三脚で
第十七章 いよいよ中国大陸へ
第十八章 想定外の出来事の連続
第十九章 中国の事業が軌道に乗りはじめる
第二十章 アメリカの得意先へ表敬訪問
第二十一章 中国人運転手の話から「龍国日本」のアイディアが
第二十二章 台湾人ライバルとの相克
第二十三章 風土病の神経症にやられる
第二十四章 中国からの撤退を決断
第二十五章 「平は最好!」
第二部 龍を訪ねて時空の旅
第一章 私の人生の秘めたる二つの目標
第二章 龍の起源を探る
第三章 龍蛇の昔話編
第四章 神話の中の龍蛇
第五章 龍と渡来人たちのルーツ
第六章 渡来人たちのルーツは古代イスラエル?
第七章 中国の龍を訪ねて
第八章 日猶同祖論の根拠
第九章 シュメール文明と龍蛇神
第十章 祖先神とシリウス星
第十一章 祖先神と人類の誕生
第十二章 ユダヤ教とバビロン龍
第十三章 中国を経由した龍の足跡
第十四章 ついに龍国日本へ到達
エピローグ「龍の心を持って!」
199,999年 宇宙への旅 /「龍の心を持って!」
プロローグ
一九九七年三月、私は中国の青島から中国出張事務所の溜博(ツーポー)へ向けての車中で、うつらうつら眠っていた。今走っている高速道路は、青島から済南へ続くもので、四年前ぐらいに開通した。まだ中国では車は少ない上に 一般車にとって高速料金はかなりの負担になるのでガラガラにすいている。 回りはトウモロコシ畑か小麦畑が連なり、変化のない景色で退屈する。
この頃、中国ではまだ外国人による運転は認められていない。しかし運転手を雇っても賃金は安いので、車を購入することは、すなわち運転手もセットで雇うということだ。
運転手の名はトニー孫(ソン)。トニーは私がつけた英語名だ。彼とは、最初に私がこの地方に足を 踏み入れた頃からの付き合いで、もともとタクシードライバーだった。風貌はちょうどプロゴルファーの伊澤利光に似ていて、ガッシリした体格をしている。 この中国で、彼が一番信用できるし、頼りになると思っている。 私が中国青島空港に到着した時、いつも彼が溜博(ツーポー)から迎えに来てくれる。車を購入する以前、タクシーの時から何度も迎えに来てもらったが、一度も遅れたりミスしたことがない。
青島(チンタオ)には全日空の関西空港発、福岡経由の便で午後〇時三〇分に到着する。
日本とは一時間の時差があるので、日本では一時三〇分である。到着するとすぐその足で、青島近くのゴルフ場へ直行する。青島には現在二ヶ所のゴルフ場がオープンしている。青島国際ゴルフ場と青島華山(ファーシャン)ゴルフ場だ。今日も「小姐(シャオチエ)、没有(メイヨウ)時間(スーチエン)」時間がないよ!と言って、
十八ホールを三時間でいっきに回った疲れで、青島から溜博市まで三時間半のドライブ中、うたた寝をしていた。
ちょうど目覚めた時トニーが突然話しかけてきた。
「宮坂先生、弥知道(ニーチータオ)在東洋有(ザイトンヤンヨン)一個(イーカ)龍的(ロンダ)国家(コーチャー)?」
日本語でいうと「宮坂さん、東洋に龍にたとえられる国があるのだが知っているか」と問いかけてきた。
私は半分まだ眠たいのと、別に重要なことではないので、単に「不知道(プチータオ)」「知らない」と答えた。
そして間を置いて、私は「那個(ナーカ)、中国(チョンコー)麻(マ)?」「それは中国のことを言っているのか?」 と続けて聞いた。彼の答えは「不(プー)」「違う」だった。
トニーは常に私のことを思ってくれて、たとえば青島(チンタオ)と溜博市(ツーポー)間の単純で長いドライブの間にも、退屈させない様に、いろいろな話題を提供してくれ気配りもしてくれる奴だ。私が単刀直入に「什麼(シェンマ)国家(コーチャー)?」「どの国だ?」と聞くと、彼は「真的(ニージンダ)不知道(プチータオ)?」「あんた本当に知らないの?」と念を押した。 私がとぼけているとでも思ったのだろうか。
そして彼は一息入れておもむろに、「那個(ナーカ)、弥的(ニーダ)国家(コーチャー)、日本(ジーペン)了(ラ)」「それはあなたの国、日本ですよ」と言った。「日本の地図を見てみなさいよ、形が似ているでしょう」と続けて言った。
私は「ふーん、そうか」「大概(ターガイ)」多分、そうかもねと驚いたそぶりもみせずに言った。
もっと私が驚き感激してくれることを望んでいたのか、私のそっけない反応に不満そうに、「龍の国だよ!」「龍の国だよ!」と彼の方が何度も興奮したうわずった声で叫んでいた。
あとがき
「龍国日本」は私の体験談を元に、奇想天外、荒唐無稽な想像力で構成された、あくまでもフィクションである。異星からの渡来人が人類に種を植え付けたと云う説には異論もあるだろうが、未来、人類が種を存続させるために、地球から他の惑星へ飛び立つ時がくれば、それはすなわち、過去に異星人が人類に種を植え付けたことの証明になるだろう。
私にとって「龍」に出会うまでの偶然の出来事は、後からとって付けたように起こった訳ではありません。香港でのビジネストラブルがあり、中国へ出かけることになり、そこで事務所を作り、トニーと云う運転手に出会うことにより、そのチャンスに巡り合えたのです。逆にたどれば、香港でのビジネストラブルがなければ「龍」には出会わなかった。留学の断念なしに、普通に就職をしてしまえば、ユダヤ人に出会うこともなかった。中学、高校の不良時代がなければ、芸術大学への方針変更もなかった訳です。
そう考えれば、生まれてからの、小さな出来事、選んだ道の結果が「龍国日本」のパターン制作につながったということであり、その延長線上に「龍」の起源を探る、日本創世を探るなどの発想が思い浮かび、執筆するに至ったわけです。
その後、六芒星にもつながる事などの、新たな発見に至った時、そして、それが自分の歩んできた人生の出来事にリンクする部分があると気付いた時の、無上の喜びは何ごとにも変えがたいものでした。それらに遭遇した、自分の運命に満足する時、過去に出会った人物にも感謝せざるをえません。
その様に、原因、因果を先ヘ先へたどって行くと、自分を生んでくれた両親、そして先祖への思いにつながります。結果、それが祖先神への崇拝と云うことになるのでしょうか?
皆それぞれ違った価値観をもって生きてきました。当然です。その価値判断の違いによる日々の小さな選択が、結果としてここにいる自分であり、あなたなのです。あなたは何をもって、その価値観の基準としているのでしょうか?
現在の世の中で、登校拒否、ひきこもり、フリーター、ニートという社会に順応しにくい若者が増えてきたとの報道を聞くたびに、社会の糸がもつれてしまっていると感じます。もしかすると、それは少年少女たちだけの問題ではなく、生きる目標を失っている現代人、大人の問題であるかもしれません。身勝手に生きてきた私が言うのは、はなはだ心苦しいのですが、もう一度日本人に、心のふるさとを取り戻してもらいたいと考えています。
心のふるさととは何かといえば、「龍の心を持って!」と提言したい。「龍の心」とは、一口では説明しがたいが、この本の内容から何かを感じていただければありがたく思います。そして、日常のささいな行動における選択、そして、また人生の重大な決断を迫られた時、その判断基準に「龍の心」が少しでも頭をよぎってくれれば幸いです。
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