著者:平沢 岳人
ページ数:354
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この本は、2013年出版の書籍「やさしく学ぶArchiCAD GDLプログラミング」(ISBN978-4-7678-1508-4)を電子書籍として再編したものです。Kindle版になってからは二度目の改版になります。書籍版および旧Kindle版からの主な変更点は以下です。
1.書籍版から、表紙、巻頭の作例集、コラム、索引を削除しました。また、表紙は版毎に刷新しています。
2.Kindle版から本文中の図版は全てカラーです。カラー表示のできるKindle端末の利用をお勧めします。
3.最新のArchiCAD バージョン23での動作を確認し、また、ほとんどの図版を同23によるものに差し替えました。
4.旧バージョン用の記述は削除し、最新版での挙動を前提に記述を見直しました。
5.電子書籍にあわせてページレイアウトを変更しました。
6.書籍版8章の内容を見直すと同時に分量を倍増しました。中級者の為の記述が厚くなっています。
Kindle版と書籍版とは扱っている素材に相違は少なく、8章を除いてほぼ同内容です。図版が可能な限り鮮明であることを優先していますので、説明文と図版のレイアウトが書籍版に比べてやや不親切かもしれません。できるだけ調整しましたが、ご不便を承知おきください。
新しい表紙のデザインとバージョン23対応に伴う記述の修正および図版の再構成については、新しく著者陣に加わった中村優介君と古庄玄樹君が担当しました。また、千葉大学大学院工学研究院助教の加戸啓太先生には数度の校正を委ねました。
万全を期したつもりですが、お気づきの点がありましたら、次のホームページにある連絡先までお知らせください。
千葉大学大学院融合理工学府創成工学専攻建築学コース平沢研究室 http://www.hlab-arch.jp/
「計算機言語は楽しく学べる」
本書は、ArchiCADに組み込まれているGeometric Description Language(以降GDLと略します)を使って、ArchiCADユーザの可能性を拡張するために作成されました。
計算機言語を学んだことがない方や、計算機言語を学ぼうとしたものの途中でなんとなくつまらなくなって離れてしまった方も、このテキストで学べば、形態(フォルム)の生成という建築に携わる者すべてに共通する普遍的で魅力的な目的を持って、アルゴリズミックあるいはプロシージャルな造形手法を学ぶことができます。この点が、この本と他のマニュアル本との一線を画するところです。
GDLについては、ArchiCADに付属するGDLリファレンスガイドに詳しい言語仕様が記されています。すでに他の計算機言語を学んだことがある方は、GDLリファレンスガイドだけでもGDLプログラミングを楽しむことができるかもしれません。ですが、建築でよく使われる形をどのようにモデリングすればよいのか、GDLリファレンスガイドは教えてくれません。リファレンスとしての正確さを尽くした記述が冗長となり、現場でよく使われる機能や重要な概念をかえって目立たなくしてしまう側面もあります。
筆者は建築学科の学生を対象にC言語を教える講義を担当しています。工学部の他学科では必修となっている計算機言語の講義も、建築学科の現在の教育カリキュラムでは必修ではなく、学生にとっては難解なだけで取り付きにくい、やや退屈な講義であるといわざるをえません。C言語の仕様をひととおり教えるだけでも講義時間は不足気味なのですが、なんとかやりくりして例題に2次元グラフィックスを交えると、途端に学生の目つきが変わります。形態の生成が建築学科の学生にとって尽きない興味の対象であることがわかります。自分のデザインの可能性を広げるために計算機言語を学ぶ。そうすれば退屈な勉強も楽しくなります。このテキストも、このような建築を学ぶ学生がもつマインドに訴える構成を目指しました。
この本は筆者の研究室で2004年から継続して実施してきたGDL講習会から生まれ、現在では履修課程に含まれる単位の付く正規の講義で教科書として使用しています。建築学科の学生に計算機言語を楽しく学んでもらうにはどうすればよいのか、多くの工夫を重ねてきました。計算機言語初心者はもちろん、経験者にとっても満足してもらえる内容になっていると思います。
目 次
1. GDL概観
1.1. モデリングの基本操作
2. 基本形状
2.1. 球、三角錐、多角柱まで
2.2. 多角錐や複雑な多角柱
3. 基本形状を組み合わせた建築オブジェクトの制作
3.1. ベンチ
3.2. 傾いた脚をもつテーブル
3.3. ジグザグベンチ
4. 独自オブジェクトのArchiCADでの活用
4.1. GDLモデルの図面への配置
5. 複雑な形状をつくる
5.1. 螺旋階段のモデリング
5.2. 大屋根のモデリング
6. マテリアルを設定する
6.1. 素材感を与える
6.2. きめ細かく素材感を設定する
7. ソリッド演算をつかう
7.1. ソリッド演算の基本
7.2. ソリッド演算コマンドを複合的に適用する
7.3. CUT 系のコマンドをつかう
8. より進んだ使い方
8.1. 掃引体によるメビウスの輪
8.2. 他言語からGDLをつかう
8.3. グラフィカル編集
8.4. デバッグの方法
シリーズ一覧
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