【無料で読める】ニュージーランドの旅

ニュージーランドは小さな島国と思っていたが、調べてみると、かなり広くて日本の本州・四国・九州をあわせたほどの広さだ。十日ほどで全土を走り回るなど無理なことだと分かった。ニュージーランド政府観光局の資料には「楽しむ８街道」として南・北両島を巡るそれぞれ四つずつのコースが紹介されている。総計5500粁の走行、これで全土が廻れるようになっているが、観光も含めると三、四週間は必要だ。
　日程は約十日とし、南島はマウント・クックとミルフォード・サウンドを含む「アルプス街道」を、北島はトンガリロ国立公園をメインに、ロトルア、タウポの「地熱帯」とワイトモの「土ぼたる」を廻って基点のオークランドに戻る。市街の観光は南島では湖畔のクイーンズタウンと庭園の町クライストチャーチ、北島ではマオリ文化の残るロトルアと玄関オークランドで、首都ウエリントンは上空から眺めるだけになった。
　南島はフィヨルドと氷河の残るサザンアルプスが、北島は火山の島で地熱地帯が特徴だ。人類が住み始めた最も遅いといわれる島、二〇世紀初頭からの自然保護活動で環境破壊を免れ、ありのままの自然が随所で感じられる新たな体験の多い旅だった。