著者:天宮伊佐
ページ数:339

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『境界』の向こうには何かがいる――。

平和な町で猟奇殺人事件が起こった。
遺体の状態を見たベテラン刑事が驚愕するほどの凄惨な事件。それが連続的に発生するようになり事件規模が大きくなっていたある日。
町の高校にどこか作り物めいた美しさを持つ少女・華志摩玲子が転校してくる。彼女は最低限の返答以外はせず、他人を寄せ付けることはなく、不気味さだけが浸透し孤立していった。
常軌を逸しているものの自分に実害がないと判断し、クラスが玲子の存在に慣れ始めたころ。事件の捜査状況が進展をみせないためか、噂が噂を呼び「ホシカリリョウコ」という手足をほしがる都市伝説が犯人なのではと憶測が飛び交うようになる。
教室で生徒たちがその噂話で笑っていると
見ているではないか、
興味を示しているではないか、
あの華志摩玲子が。あまりに不気味な底のしれない漆黒の眼でこちらを見ている――。
しかし、その異様な光景に気づいているのは真田晴海という少女1人だけだった。

果たして奇妙な転校生は町で起こる猟奇殺人事件に関わりがあるのか、あまりに不気味な彼女の行動が恐怖を呼び覚ます。新感覚のフォークロアミステリ。

※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。

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