【無料で読める】認知症の介護: ニュージーランドからの提案

著者のアンジェラ・コーイーは、認知症の夫をニュージーランドの自宅で１２年間世話した。そのときに彼女は認知症についての本をたくさん読んだが、介護の実際的なヒントに関する本を見つけられなかった。彼女は介護者のグループでも熱心に活動し、その時の経験をもとに、さらに大勢の人たちにインタビューをして、認知症の介護者が日々直面する問題を解決するヒントを集めて本にした。

この本には、以下の様々なことが書かれており、必要な部分だけ読むこともできる：認知症との診断をどう受け止めるか、家族や友人にどうやって報告するか、本人が認知症だということを受け入れなかったらどうするか、経済面でのヒント、自宅をどうリフォームすると便利か、旅行や趣味など楽しみをどう可能にするか、暴力や暴言など難しい行動にどう対処するか、外部からのサポートの受け方、本人の自立をどうやって保つか、エクササイズの仕方、食事の仕方、シャワーや着替えの仕方、トイレの介助、徘徊の注意点、幻覚への対処、衰えていく中で気持ちをどう保つか、フルタイムケアへ移すタイミング、どうやって最期を迎えるか。

彼女の得た経験を日本の多くの介護者の人達にも知ってもらいたい。国は違っても、悩むことは同じようなことで、彼女の多方面に渡るアドバイスはきっと役に立つことだろう。また、彼女のポジテイブな姿勢が読者を勇気づけ、明日からまた新たな気持で介護をしようと思うに違いない。ニュージーランドでも、認知症の家族のことを隠す人たちもいる。外部に助けを求めずに、一人で苦しんでいる人たちがいる。日本でもそうだろう。今困っている人たちに役立つヒントを与え、その人達が仲間がいることを知らせることができたら、と思ってこの本を紹介しようと思う。