著者:佐和真
ページ数:35

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2020年5月改訂再出版。昭和30年代。戦後10年が過ぎて、日本は高度経済瀬長時代を突き進んでいた。東京では、早々とテレビ放送がはじまったり、東京タワーが建てられたり、華々しい発展の時代と位置づけられるのかもしれない。しかし、地方では、東京の出来事ははるか遠いところの話だった。地方に生きる人々の生活や意識にはほとんど関係なかった。地方の、戦中、戦後の混乱にもてあそばれた人々にとっては、まだまだ日々の生活がやっとできるかできないかの時代だったからだ。昭和駅前食堂シリーズは、そんな都会の出来事とはまったく縁のない地方の田舎町の駅前で食堂を営む未亡人嘉江、そして小学生の栄一を中心に物語が展開する。食堂に屋号はない。常連の客は「駅前食堂」と呼ぶ。駅前食堂は、近郊の農村からやってくる客がほとんどだ。ヤミ米を運ぶ「担ぎ屋」の女たちもいつからか駅前食堂をたまり場にしている。食堂という小さな世界で起こる出来事、さまざまな癖のある客、駅前商店街界隈の人々の暮らしなど、昭和30年代の地方に漂っていた雰囲気を再現したかった。単にノスタルジーに浸るのではなく、未熟ながらあくまでそこに生きる人間を見つめるような作品にしたいと思っている。第3巻は、「梅雨の晴れ間」、「お坊っちゃん」、「魔物」の掌編3話を掲載。

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