著者:逢坂 剛
ページ数:48
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サスペンス/ミステリー界の大御所作家の手になる、クリアカットな短編。オーストラリア、メルボルンの荒涼な郊外を舞台にしながらも、古書にまつわる謎と、ハードボイルドテイストを巧みに両立させるのが、手練れの真骨頂。
南半球では初夏にあたる11月下旬、カメラマンの師岡は広告会社の依頼を受け、豪州の珍しい動物を撮影しようと、この地を訪れた。スペイン現代史の研究者で、エッセイストとしても売り出し中の妻に頼まれ、市街の古書店に立ち寄った師岡は幸運にもスペイン内戦関連の古書を入手した。そこから師岡は悪夢に巻き込まれる。古書店の女性店員が、その古書を買い戻すために、師岡が滞在中のホテルを訪ねたのを皮切りに、師岡は謎の人物に襲撃され……。
古書売買を巡る思惑に加え、オーストラリアの成立史、さらには現代科学の謎を絡ませた、重層的なサスペンスの佳編。
逢坂 剛(おうさか ごう)
1943年、東京都生まれ。大学卒業後、大手広告会社に勤務のかたわら処女作の長編「カディスの赤い星」を書きあげ、それを出版してもらうために、作家になることを決意。中編「暗殺者グラナダに死す」で1980年にオール讀物推理小説新人賞を受賞してデビュー。サスペンス長編『百舌の叫ぶ夜』(1986)で注目され、ようやく日の目を見た長編『カディスの赤い星』(1986)で、直木賞、日本推理作家協会賞長編部門、日本冒険小説協会大賞をトリプル受賞し、ベストセラー作家の仲間入りを果たした。他の長編に『斜影はるかな国』、『禿鷹の夜』等のシリーズ作品がある。時代小説も手がけ、2015年には『平蔵狩り』で吉川英治文学賞を手にした。
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