著者:正田 大観
ページ数:344
¥700 → ¥0
(まえがき より)
第二部「返照するまなざし」では、いよいよ最後ということで、『ブッダのまなざし』全シリーズを通して取り組んできたテーマ、無意識と涅槃について、総決算的な参究を試みたく思う。個人的な関心を前面に打ち出すことになって恐縮だが、ご寛恕いただきたく思う。第二部もまた、クリシュナムルティの言葉に助力を仰ぎつつ、この難問に取り組むことになる。第一部では、教えの再現に重点を置く論述だったが、第二部は、テーマを絞ってのものとなるので、より突っ込んだ議論を展開し、読者の皆様の仏道実践の資となるべく努めたい。
テキストについて触れておこう。今回は、テーマを絞っての参究ということで、新層経典を含む五ニカーヤすべてを使用する。ただし、中心となるのはブッダの肉声に近いとされる古層経典(韻文)であり、新層経典(散文)は補助的な登場となる。テキストはPTS版を使用(いずれも拙訳)。クリシュナムルティに関しても、『四季の瞑想』に限定せず、他書からテキストを選別し、参究の助けとしたい。なにしろ、テーマがテーマであるだけに、使用テキストの範囲は広いに越したことはない。そのぶん、恣意的な取捨選択の可能性が増し、個人的な見解が入り込む余地を許すことになるが、たとえそうなったとしても、さすがにここまでくれば、皆様の鑑識眼はそれを見破り、自らの学びに悪影響を及ぼすことはないだろう。
今回のテーマは、一探求者として関心を寄せる実践的課題という意味では、最後の難関と言ってもよく、先行きが思いやられるが、ここに至るまでともに道を歩んできた皆様の存在を励みとし、この難題にチャレンジしたく思う。途中、道をそれたりするそのときは、ご叱責とご教示の言葉をたまわりたく思う。合掌。
目次
まえがき
凡例
序章 無常を見る人
第一章 汝自身を知れ
第二章 「知っている」精神
第三章 「これ」という思い
第四章 名づけを離れる
第五章 知識と学び
第六章 行為をしない行為
第七章 外へ
第八章 求めない
第九章 静かな精神
第一〇章 メタレベル
第一一章 熱く為せ
第一二章 ただ見る
終章 涅槃を見た禅者たち
小品集
あとがき
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