著者:ジョナサン・ウィルソン
ページ数:225
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世界的な戦術研究の第一人者である著者が
日本のサッカーファンのために書いた、サッカー戦術本の決定版。
戦術とは何か。「ゲーム(勝負事)」を、どこまで支配し得るものなのか。
洋の東西を問わず、この種の議論がますます盛んになってきている。
戦術論が普及すればするほど、根源的な問いかけがなされるようになってきたのは、
フットボールという競技自体の進化にとって、極めて好ましい兆候だろう。
3-4-2-1やプレッシングといったコンセプトを生み出してきたのは、予測不可能性を極小化し、
自らのイデア(理想)を具現化しようとする情熱であり、ひたむきな使命感でもあるからだ。
その事実を理解して初めて、ピッチ上に描かれる魔法陣の秘密は解き明かせるといってもいい。
本書はイギリス人の戦術史家、ジョナサン・ウィルソンとの共作になるが、僕たちが一貫して目指してきたのも、
歴史的な文脈をしっかり踏まえたうえで、時代の最先端を行く戦術論の見取り図を、読者のみなさんに提示することだった。
とはいえ、ジョナサンと戦術論の本を出版するのは実に不思議な気がする。
彼は戦術論の大著を以前にも上梓しているが、もともとフットボールのジャーナリストを志していたわけではない。
さらに言うなら、戦術分析が専門だったわけでもなかった。
(「はじめに」より一部抜粋)
【目次】
Episode.1 戦術トレンド概論 プレッシングか、ポゼッションか、それが問題だ。
Episode.2 60年ぶりに戻ってきた3バック
Episode.3 アンチカウンター理論としてのゲーゲンプレス
Episode.4 ゼロトップはどこへ消えたのか
Episode.5 ベンゲルと4-2-3-1の行方
Episode.6 10番/トップ下論 エジルが象徴するクリエイティビティのジレンマ
Episode.7 ゾーン・ディフェンスがカバーする領域
Episode.8 アンチ・フットボールの誘惑と憂鬱
Episode.9 レスターと4-4-2に未来はあるか
Episode.10 ポチェッティーノが受け継ぐ、ビエルサイズム
Episode.11 アンチェロッティ式、「ハイブリッドマネージメント」のススメ
Episode.12 モウリーニョが抱えるスペシャルな懊悩
Episode.13 ウイング論 左翼と右翼のウインガー
Episode.14 理想主義者、ペップ・グアルディオラの挟持
Episode.15 GK、100年の孤独
Episode.16 ディープ・ライイング・プレーメイカーの誕生
column.1 共産主義思想としてのプレッシング
column.2 コレクティブカウンターの衝撃
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