著者:ギター・マガジン編集部
ページ数:218
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昨年の12月15日、ジョンがレッド・ホット・チリ・ペッパーズに再び復帰すると発表された。2009年に2度目の脱退をしてから、ちょうど10年後のことだった。この報せに世界中のファンが沸いたが、10年間バンドを支えたジョシュ・クリングホッファーの脱退も同時にあったのを考えると、いろいろな意見が出たことだろう。ただ、ギター・マガジンとしては歓喜という言葉しかない。
なぜなら、ジョン・フルシアンテという人は、ギター・ヒーローだからである。
もちろん、彼はポスト・パンクやニューウェイブのアティテュードを持った”アンチ・ギター・ヒーロー”という形容もされていることは重々承知だ。でも、僕らの脳裏に映るのは、ステージで恍惚の表情を浮かべながらカッティングをし、リフを奏で、アドリブ全開のギター・ソロを弾きまくるあの姿だろう。
あの人が弾いているビンテージのギターは一体何なのか? 奇妙なエフェクト音はいったいどのように出しているのか? どんな音楽を聴いてあのスタイルができたのか? そもそも、彼は一体どんな人なのか? 僕らはとにかく、ジョンのことが気になってしょうがなかった。そう思って彼のインタビューを読めば、ドラッグに溺れた時の強烈なエピソードを包み隠さず語ったり、影響を受けたミュージシャンの名前をバンバンと出して異常なまでの音楽愛を全開にしたり、またある時には、瞑想や幽霊といったスピリチュアルな話をしちゃう怪しい一面を見せたり。
こうして僕らはどんどんジョンに夢中になっていく。あこがれの気持ちを抱いてしまう。そんな男をギター・ヒーローと呼ばずしてなんと呼ぶ。ちなみに本誌においてギター・ヒーローという言葉は、考えうる限り最大の賛辞である。そんなジョン・フルシアンテがあのレッチリに帰ってきただと? けっこうじゃないか。ギタマガがやらずに誰がやる。
というわけで、本誌では久しぶりに、”レッド・ホット・チリ・ペッパーズのギタリスト=ジョン・フルシアンテ”の特集をお届けする。残念ながら本人の最新インタビューはとれなかったが、今回はレッチリの全参加作品のインタビュー合計7本を収録したほか、機材紹介とプレイ分析もがっつり展開し、ムック本ばりのボリュームで構成した。現在、ジョンを擁するレッチリは新作に取り組んでいるという。今この瞬間にも、海を隔てたどこかであの4人が集まり、音を出しているかもしれないのだ。そのワクワク感とともにこの特集を読んでもらえたら幸いである。
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