バカラ: IR＆カジノマネーの原点に迫るポリティカルサスペンス

　国はなぜ反対論も根強いカジノを合法化したがるのか……？　ギャンブルやカジノの収益は、ほぼ永続的にとてつもない利権となる。政財界はそのもたらす利得権益に与ろうと躍起である。
　自らもアングラ・カジノに手を染め、借金だらけの週刊誌記者・志貴は、賭博と金の誘惑にかられ、苦しみながら、仕事では政界汚職を暴こうとする。ところが借金はどんどん嵩み、自らの手には負えなくなってゆく。果たして志貴はカジノ中毒から救われるのだろうか？
　一方、IT長者の日継はプールした金を生かして国外でオンライン・カジノの胴元を始めようとしていた。彼は各国の法の規制を逃れてグレーゾーンへと流出する金を追いかけつつ、日本国内ではある〝賭け〟を企んでいる。女性記者の明野えみるのインタヴューで明かされた日継流のクーデターとは……。