著者:坂元悠紀
ページ数:111
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そもそも開業するためには商圏調査から不動産の選定が必要です。更に指定申請の提出には膨大な資料を作成しなければなりません。
デイサービスを開業できたとしても売上を上げるために営業を行わなければなりませんし、売上が上がってもしっかりと介護給付費を請求できていなければ現金は入ってきません。
また、売上も上がって落ち着いたかなと思った頃にやってくるのが人材不足の問題です。
こういった煩わしい問題を全て解決できるようなものがあったら、ほしいと思いませんか?
私は欲しくて欲しくてたまりませんでした。
私がデイサービスの経営に携わったのは2012年の夏のことでした。
赤字続きのデイサービスの立て直しを命じられ、経営者として働き始めたのです。
ご利用者様はまばらで従業員も協力的ではなく、書類の管理もまるで出来ていませんでした。
その頃の私は介護系の資格は何も持っていませんでしたし、デイサービスについては右も左も知らない状態でした。しかし、誰かに教えを請おうと思っても周りには誰も居なかったですし、有効な解説書はありませんでした。
泣き言を言っていても始まりません。とにかく私はすべての業務を自ら経験するしかないと思いました。
送迎、入浴、掃除、洗濯、ゴミ出しからケアマネジャーへの営業、ホームページの作成、通所介護計画書の作成・・・ご利用者様が帰ってから報告書や請求業務を行いました。
そして終電で家に帰ってからデイサービスや介護保険の勉強をするという生活でした。 休みの日は営業用の資料や会社への報告書の作成に費やしました。
日々の業務以外にも職員の退職や事故、週5日来所して居た方の入院などなど、様々な困難を経験しました。
デイサービスの業績をなんとか黒字にしたのは管理者就任から半年後・・・
やっと業務にも慣れ、職員も協力的になって来たころ、私は過労で倒れました。
開業編は今日の介護保険制度ができるまでの歴史や介護保険についての詳細から始めています。介護保険の別のサービスについても知った上でデイサービスの優位性を感じてもらえるかと思います。
実際の開業には法人の設立から税務署などへの届け出、商圏調査、不動産選定、リフォーム業者への依頼などとても面倒な作業をこなしていかなければなりません。
この本では必要な作業を順序立てて記述していますので、この本を辿りながら一つずつこなしていけば自ずと開業にたどり着くことができるはずです。
特に商圏調査や不動産の選定はある程度見るべき点を知っていなければ、同じ物件を何度も見に行く羽目になったり、不動産の契約を行ってから取り返しのつかない欠陥が見つかったりするものです。
それらの注意点も全て網羅していますので、安心してください。
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