著者:黒井澄
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貧困削減の新たな手法の一つとしてBOPビジネスが世界で注目されつつある。近年の研究では、成功するBOPビジネスには法則性があることがわかっており、本稿ではインドネシアのBOPビジネスの主要分野の一つである農業に焦点を当てて、どのようなBOPビジネスが行われるべきかを明らかにすることを目的とする。
そのため、インドネシア国内で実施された農業分野のBOPビジネスの先行事例を、先行研究の成功モデルと比較考察して特徴を明らかにすると同時に、インドネシア特有の農業実態や貧困層の生活実態も考慮した上で議論を行い、今後のインドネシアの農業分野のBOPビジネスに何が必要であるかを検討する。
先行研究の分析からインドネシアの貧困層と農業従事者は重複する部分が大きいことがわかった。そのため本論文では、インドネシアの貧困削減の方策の一つとして、農業分野のBOPビジネスに着目し、農業の生産性向上による貧困削減の可能性について考察したいと考えた。
本稿では各BOPビジネス事例について、ビジネスモデル、実施地域及び対象となる商品、課題、の3点を切り口として分析した。考察の結果、インドネシアにおける農業分野のBOPビジネスでは、菅原(2014)が述べた15のビジネスモデルの中で「原材料・製品調達網構築モデル」つまり、企業側が生産者に生産指導を行い、収穫物を買い上げるビジネスモデルが多く見られた。また、インドネシアの農業分野には、高付加価値を持つ農産物を安定的に生産できる事に加え、金融面からのサポートも必要であることがわかった。また、菅原(2014)の15のビジネスモデルの考察から、さらなるビジネスモデルを利用した農業分野のBOPビジネスの可能性も考えられた。例えば、インターネット・携帯電話網を活用したBOPビジネスである。

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