著者:小山内 洸
ページ数:244
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英語の必要性が増々高まる現代において、いま英語教育の現場に必要なものは何か。
学校教育の中で、外国語である英語を日本人の教師が教えることの意義は何か。
本書は、情報が氾濫し、価値観も多様化する中で、変遷する英語教育の現場で翻弄される英語教師に理論的支柱を提供し、適切なロードマップを描くための道標となるべく書かれた書物である。
実用性に傾きがちな英語教育の議論に教育的側面での光を当て、日本人のための英語教育を追究するための一書として、本書は最適の内容となっている。
[目次]
原著の電子化に当たって
まえがき
第Ⅰ章 Communicative Approachの言語理論 ──三つの源泉──
1.ハイムズの ‘Communicative Competence’ 論
2.ハリデーの社会学的意味論
3.オースチンの言語行為論
4.三つの言語理論に共通する理念
第Ⅱ章‘Communicative Competence’の諸相
1.今,なぜ ‘Communicative Competence’ か
2.CCをどう定義するか──「定義」をめぐる一般的な問題
3.「能力」(competence)のとらえ方
4.二つの理論モデルの対比と評価
5.教室授業における二つの理論モデルのインターフェース
6.まとめと結論
第Ⅲ章 外国語(英語)科のテストはどのような「能力」を測定すべきか
1.何が問題か
2.「テスト」「測定」「評価」の概念の区別
3.外国語(英語)科のテストが測定してきた学力
4.コミュニケーション能力をどう考えるか
5.言語テストの内容・形式への新しいアプローチ
6.外国語(英語)科テストの妥当性について
7.テストの作成手順
8.現実問題への配慮
第Ⅳ章 シラバス構成論における過程シラバス(Process Syllabus)の意義
1.問題意識
2.カリキュラム/シラバス──概念整理
3.シラバス構成原理をめぐる論点
4.「知識」のとらえ方とシラバス──二つのタイプ
5.内容シラバスから過程シラバスへ
6.望ましいシラバスへの展望
第V章 学習指導要領にみる外国語(英語)科の教授内容と教授法の変遷
1.学習指導要領を研究する意義
2.中学校外国語(英語)科の教授内容と教授法の変化
3.高等学校の外国語(英語)科学習指導要領の変遷
4.学習指導要領のガイドライン化と学校現場からのシラバスづくりの必要性
第Ⅵ章 教室授業改善の方向 ──「活動」概念の検討──
1.問題意識
2.外国語(英語)の授業における「活動」概念
3.「タスク」をどうとらえるか
4.教室授業における「活動」の重要性
5.これからの教室授業の課題
参考・引用文献
あとがき
著者略歴
[出版社からのコメント]
言語がコミュニケーションのためのツールであるならば、外国語であっても英語教育はコミュニケーションを学ぶための場でもあると言えると思います。私たちは日々日本語でコミュニケーションをとっていますが、英語でのコミュニケーションの構造と日本語でのコミュニケーションの構造の重なりの中には、私たちが享受できる豊穣な果実が眠っていると感じます。
本書は英語教育を主題にしていますが、教育一般にも敷衍しうる裾野の広さをもっています。教職にある方だけでなく、教育に関心を持つすべての方にとって、本書が新たな知見を得る契機となればうれしく思います。
[著者プロフィール]
小山内 洸(おさない・たけし)
1938年 青森市生まれ.
1944年 北海道に一家移住.その後,鬼鹿小学校・中学校,留萌高等学校卒業.
1960年 東京教育大学文学部文学科英米文学専攻卒業.以後,北海道札幌旭丘高等学校教諭(1975年12月まで).
1975年 北海道教育大学助手教育学部釧路分校.以後,講師,助教授を経て現在教授.
1979年 オーストラリア政府奨学金によりCanberra College of Advanced Education留学,TEFL特別コースで外国語としての英語教育の理論並びに教授法研究.
1983年 文部省派遣によりレディング大学(連合王国)の大学教員英語教育特別コースで研修.
所属学会:大学英語教育学会,北海道英語教育学会,北海道教育学会,日本英文学会北海道支部,新英語教育研究会,日本比較教育学会,日本国際理解教育学会,日本グローバル教育学会,オセアニア教育学会.
著書・論文:『英文法の新しい考え方学び方』(共著,三友社出版,1981年),『教育文法の基礎』(共著,三友社出版,1983年),『新英語教育講座』(監修・共著,三友社出版,1987年),『講座ティームティーチング』(監修・共著,日本教育書籍,1989年),(英文図書) Indigenous Minorities and Education (Noel Loos と共編,三友社出版,1994年),他論文多数.
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