著者:赤間 勉
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著者が14年近くに渡って勤務したバイオベンチャーのAnacor Pharmaceuticals社(以下A社)は、2つ目の新薬が世に出る半年前の2016年6月、製薬世界最大手の米Pfizer社に買収されました。買収額は$5.2B、当時のレートで約5700億円に上ります。すべて現金での買収でした。
買収というと、何か怖いことのように感じる方もいらっしゃるかも知れませんが、必ずしもそうとは限りません。言ってみればA社はハッピーエンドを迎えたわけです。
A社は医薬品としてはそれまで例がなかった、ホウ素という元素を含む化合物を新薬として研究開発することに特化したバイオベンチャーです。
Stanford大学とPennsylvania State大学の、それぞれ微生物学と化学の教授の2人がファウンダーとなり2002年に誕生した、いわゆる大学発ベンチャーです。日本ではそういう言い方をしますが、アメリカではそのような呼び方はしません。ごく当たり前のことのひとつです。
著者がA社に加わったのは会社の創業から1年ほどたった2003年。著者は13人目のフルタイム社員でした。当時はまだラボのある建物をリースして入ったばかり。これからそのラボをセットアップしようという段階でした。
それから14年の間に、A社は2つの新薬を世に送り出すことができ、さらに3つ目の新薬候補として複数品目が臨床開発段階にありましす。思い切り自慢に聞こえてしまって大変恐縮ですが、これは製薬業界においては驚くべき生産性の高さなのです。
有名な例ではGoogleによるYoutubeの買収や、FacebookによるInstagramの買収など、大手企業による買収は、ベンチャー企業の大成功のひとつの形でもあるのです。
そこで本書では、まず第1章でA社はどんなことをしたのか、そして第2章ではA社の成功の理由の私なりの考察、第3章ではシリコンバレーでの仕事のスタイルを、生活の中で感じたことなども織り交ぜながら書いていきたいと思います。
続く第4章、第5章では前の会社でのレイオフ体験とA社に加わることになった転職活動の経緯について、第6章ではそもそもなぜ渡米することになったのか、そして最後に第7章では、唐突にも見える飲食店プロジェクトになぜ進んだのかについてご紹介しています。

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