著者:木幡孜
ページ数:584
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―まずは食卓から国のあり方を考えよう―
温暖な海洋性気候に様々な生きものが棲息し、豊かな自然と海の資源に恵まれた相模湾は、首都圏に残された貴重な大自然です。
本書は、長く魚と漁業を研究し相模湾と深く係わってきた著者が、相模湾の自然環境や海産資源、漁業や食文化など、自然と人の営みについて、様々なデータを豊富に使いながら、その魅力と現状を解説した作品です。
壊滅的な危機にある日本の漁業問題にも鋭く言及する本書は、環境問題や日本の食文化だけでなく、国としてのあり方を世に問う一書となっています。
[目次]
はしがき
第1話 相模湾の産物と食文化
第2話 相模湾の自然のしくみ
その1 海流の話
その2 房総沿岸低温水の話
その3 東京湾系水の話
その4 相模川と酒匂川の話
第3話 相模湾の漁場特性と生産のしくみ
その1 来遊魚群量の話
その2 種別接岸率の法則性と漁業海図の話
第4話 相模湾漁業の盛衰
その1 相模湾漁業の変遷
その2 代表的な個別漁業の推移
第5話 相模湾の漁業利用と遊漁利用
その1 漁業者数と船釣遊漁者数の話
その2 シロギス資源自主管理の話
その3 瀬の海漁場自主管理の話
第6話 相模湾の守人たち
その1 相模湾漁民の統一組織の誕生
その2 “財団法人相模湾水産振興事業団”の活動
その3 具体的な成果事例
第7話 漁獲量と生産者価格の長期変動
その1 31類別の漁獲量と価格の長期変動
その2 年代別漁獲量と価格の季節変動、価格階級別漁獲割合
第8話 データが語る日本の漁業問題
その1 漁業の食料産業特性と漁業活性化の基本型
その2 水産物の食料自給率と供給力
その3 漁業の不振要因と高価格輸入7品目に駆逐される国産魚介類
第9話 相模湾漁業の将来像
その1 21世紀型漁業の目標
その2 未来型漁業の実現に向けて
その3 相模湾の環境保全に向けて
その4 おわりにかえて
著者略歴
[出版社からのコメント]
島国であり広大な海に囲まれた日本人が魚を食べなくなっているというのは、本来であればおかしなことです。自然の恵みに寄り添って生きることから離れ、好きなときに好きなものを好きなだけ食べるという生活によって、私たちは大切なものが見えなくなっているのかも知れません。本書を通じて、相模湾の恵みを実感するとともに、海洋国家としての日本のあり方についても考える機会を持っていただければ嬉しく思います。
【著者プロフィール】
木幡 孜(こばた・つとむ)
1935年東京生まれ
1958年東京水産大学増殖学科卒業
同年山口県内海水産試験場研究員。1962年神奈川県水産試験場研究員、同場研究部長を経て神奈川県淡水魚増殖試験場長。
1995年から㈱水土舎技術顧問。
瀬戸内海と相模湾の水産資源研究に従事、東京大学農学博士の学位取得。研究歴後半から漁業の不振要因を特定する研究、および漁業活性化手法の研究を続け現在に至る。
著書『漁業の理論と実際』成山堂書店、東京。
『漁業崩壊』れんが書房新社、東京。
『輸入7品目に駆逐される国産魚介類』文芸社、東京。
『相模湾・海の不思議』夢工房、秦野市。
編著『(財)相模湾水産振興事業団30年の歩み』五曜書房、東京。
住所 〒295-0122神奈川県中郡二宮町富士見が丘2-12-24
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