著者:halvish
ページ数:142

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カラフルな浴衣を着こなし焼き鳥や団子を頬張るマレーシア人の女の子、「東京音頭」に合わせて踊り狂うインド人のおじさん。
欧米ハイブランドの洋服にイスラム教徒の伝統的なヒジャブを組み合わせて、最先端のファッションを楽しむ「ミップスター」こと、お洒落すぎるイスラム女子たち。

マレーシアの盆踊り大会、そしてファッションイベントで撮影した計200人以上の写真を一挙公開!

(以下、Introductionより)

“Excuse me, may I take a picture of you?”
(すみません、あなたの写真を撮っても良いですか?)

見知らぬ外国人に1日100回以上、こう声をかけて写真を撮ったことがあるだろうか? 僕はある。しかも2度。1度目は2018年7月、当時住んでいたマレーシアの首都クアラルンプール郊外で行われた「盆踊り」大会で、浴衣を着たマレーシア人たちに声をかけまくり、写真を撮りまくった。2度目は翌月、やはりクアラルンプールの繁華街で催された「クアラルンプール・ファッション・ウィーク」というイベントで、思い思いのファッションに身を包んだマレーシア人たちに声をかけまくり、写真を撮りまくった。僕はプロのカメラマンでもなければ、ファッション誌の街角スナップを担当しているわけでもない。ただ、何となく、色んな人の写真が撮りたくなって、色んな人の写真を撮ったのだ。

見知らぬ人の写真を撮るのは、やってみるとなかなか面白い。まず、怪しまれないように声をかけるところから始まる。丁寧な言葉使い、清潔な身なり、そして自然な笑顔が重要だ。特に女性に声をかけるときは、あくまでもジェントルマンとして振舞わなければならない。写真撮影を口実にした新手のナンパとも思われかねないし、まあ実際そのような側面が全くないとは言えないが、とにかく「怪しい男」だと思われないように気をつける。

そして、いざ写真を撮らせてもらえることになったら、今度は「いかに良い表情を引き出すか」が重要だ。僕が心がけているのは、なるべくファインダーやカメラのモニターを見ず、相手の顔を見ながら、笑顔で会話すること。見知らぬ人間、それも外国人の男に突然「写真を撮っても良いですか?」なんて訊かれたら、誰だって緊張する。だから、緊張をほぐすための努力をしなければならない。まあ、実際は努力なんて立派なものではなく、ただ初対面の相手とお喋りしながら手元でパシャパシャ写真を撮るのが楽しいので(特に相手が可愛い女の子の場合は)そうしている。

旅先の美しい風景や街並みを撮影するのも楽しいが、人を撮影することには独特の楽しさがある。撮った写真を後から見てみると、相手の表情から自分との関係性や距離感が何となくわかることがあるし、良い表情を引き出せたときは何より嬉しい。別に初対面の人に限らず、レンズの向こうにいるのが家族や友人であってもそうだろう。良い写真とは、良い被写体を選ぶことから始まると思う。誰もが撮るような観光地の写真をどれだけ上手く撮っても、あまり面白くない。それよりも、自分しか撮らないもの、自分しか撮れないものを撮る方が面白いし、写真を見る人にとってもそうなのではないか?

そんなことを考えながら今日も、僕はカメラのシャッターを切っています。

halvish

(この商品は固定レイアウトで作成されており、タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています)

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