著者:ファイナンシャルプランナーshina
ページ数:44

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老後2,000万円問題という言葉を覚えていますか?

金融庁が「今のままでは退職後に足りなくなると予想される金額」として発表した金額が、2,000万円という数字なのです。

これは、平均寿命が延びていることや、退職金が減少傾向であること、少子高齢化によることが主要な原因と言われていますが、詳細は本書で記述させていただきます。

退職後、私たちの生活を支えてくれるのは大きく分けて「年金」と「貯蓄」があります。

現在日本の公的年金には、国民年金(基礎年金)と厚生年金の「2種類」あり、国民年金(基礎年金)とは、日本国内に住所がある20歳から60歳未満のすべての人が加入を義務付けられています。

厚生年金は、いわゆる会社に勤めている人が加入しています。

日本の年金制度は公的年金に加えて、企業年金や確定拠出年金を合わせて3階建てで表現されます。

・1階部分は、第1号から第3号被保険者まで全員が加入する国民年金(基礎年金)

・2階部分は、1階部分に上乗せして第2号被保険者が加入する厚生年金

・3階部分は、勤め先によってさらに上乗せされる企業年金(厚生年金基金や確定拠出年金など)や年金払い退職金給付

自営業者のような第一号被保険者には2階、3階がありませんが、任意で国民年金基金に加入し年金額を増やすことができます。

また、iDeCo(個人型確定拠出年金)を利用することで自助努力により老後の備えをすることもできます。

老後2,000万円問題は、以下の前提のもとに算出されています。

・夫65歳、妻60歳の時点で夫婦ともに無職である。

・30年後(夫95歳、妻90歳)まで夫婦ともに健在である。

・その間の家計収支がずっと毎月5.5万円の赤字※である。
※総務省「家計調査」(2017年)における高齢夫婦無職世帯(夫65歳以上、妻60歳以上)の平均。

90歳まで生きることを前提としているので、自分には関係ないと思われる方も多いと思います。

しかし、人生100年時代と言われており、医療の高度化により日本人の寿命は延びてきています。

1950年頃の男性の平均寿命は約60歳でしたが、現在は約80歳まで延びていますので、この傾向が続けば平均寿命が90歳になっても何らおかしくないということです。

つまり、老後2,000万円問題はほとんどの人が自分事として捉え、老後の生活設計を立てる必要があるのです。

「退職金で老後は安泰だろう」とお考えの方は、ご自身が将来受け取れる退職金の金額をしっかりと把握されているでしょうか?

老後の生活において大きな財源となってきた定年退職時の退職金ですが、実はその金額は近年減少傾向にあります。

退職給付額の平均は1,700万円~2,000万円で、ピーク時から約3~4割も減少しているそうです。

また、近年では1つの企業に勤めあげるのではなく、複数回の転職やフリーランスで働く方が増えてきており、まとまった退職金を受け取ることが出来る方も減少してくると予想されます。

老後2,000万円問題は、一定の前提条件のうえで算出された金額です。

なので、各世帯の生活スタイルや考え方は多種多様ですから、全ての世帯に当てはまるというわけではありません。

「身の丈に合った生活をしていれば、お金が足りなくなることはないだろう」という考えもあると思います。

しかし、定年退職後に収入を増やそうと思ってもそう簡単ではありません。

豊かな生活をするために、老後資金は多いに越したことがないことも確かですよね。

老後に向けた資産形成を行うために、政府は様々な制度を用意してくれています。

その内の一つがNISAということです。

ですが、

「運用に興味はあるけど、損をしてしまうのが怖い」

と思って本書を読んでくださっているあなたに朗報です。

本書を読み終わるころには、「まずはやってみよう!」と前向きな気持ちになっていることでしょう。

まずは私の自己紹介から。ライター名shinaと言います。

私は銀行員として働いていて、様々なお客さまの資産運用のご相談をさせていただいています。
(本業の兼ね合いで本名を出せないのはご了承ください。)

FP技能士1級の資格も取得しているので、お客さまの長期的なライフプランを念頭に最適なご提案を行ってきました。

日々の業務の中で、100人以上のお客さまから資産運用の相談を受けてきた経験から、つみたてNISAに関することや投資の基本について解説させていただきます。

日本は国民の貯金の意識が諸外国と比較しても高く、投資リテラシーが低いという問題を抱えています。

政府としても、貯蓄から投資へ金融資産を移行して欲しいと考え、様々な政策が打ち出されてきました。

その中の一つがつみたてNISAです。

つみたてNISAのメリットについては後述しますが、せっかくメリットがあるのに使わないのはもったいないですよね。

つみたてNISAがどんなものなのか知っていただき、一般NISAとの違いや、相場が変動したときの対処法など、具体的なお話もご紹介していきたいと思います。

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