著者:青山 多佳子
¥480¥0

「何か生きがいになるものがほしい」と思っているあなた。
「趣味を通じたお友達がほしい」と思っているあなた。
「お茶ってどんなものかしら」と思っているあなた。
そんなあなたに、ぜひお茶を知っていただきたくて、この本を書きました。

お茶には、いろいろな楽しみがあります。
そしてお茶は、その人に合った形で楽しむことができます。
あなたにはあなたのお茶がきっとあります。
あなたがあなたのお茶を見つけたら、生涯お茶を通して豊かな世界を楽しむことができるでしょう。

「お茶は好きだけれど、教えるのは無理」と思っているあなた。
そんなあなたには、この本を読んでぜひ教え始めてほしい、と思っています。
教えることで、あなたのお茶が一層深くなり、あなたを素敵に輝かせてくれることと思います。

私は現在、東京の水道橋駅近くの茶道教室で教えています。教え始めて10年、72歳です。
生まれは新潟県佐渡島で、高校生の時学校のクラブでお茶と出会いました。
すぐにお茶が大好きになり、卒業の時まわりの人に「お茶の先生になる」と宣言して島を離れました。
でも都会に出てみると、働きながらお茶のお稽古に通うのが精一杯の生活でした。

そんな私ですが60歳を過ぎた頃、お茶を教えることになりました。
15歳でお茶と出会い、18歳でお茶を教えると決めて、ようやく61歳でお茶の先生になれたのです。

2019年11月、コロナの始まる前のことです。古稀になったのを期に故郷でお茶会をしました。
高校時代共にお茶を学んだ、一番会いたかった友人にも会えました。
その時彼女は言いました「あと何年かでお茶を辞めようかとも思っているの」と。
私がようやくお茶の先生になれたとき、彼女は辞めようかと言うのです。

友人は20代で教え始め、故郷の茶道界で活躍していました。きっと長くお茶を教え、充実した生活を送っていたのでしょう。
ただひたすらお茶を教えることを目標にしていた自分と、20代で教え始めお茶を深めていった彼女との差をはっきりと認識させられた機会でもありました。

私は60代で夢が叶った時、本当に嬉しかったのです。
神様は一生懸命願っていれば、必ず見ていて叶えてくださる、と感謝しました。
今でもその思いは変わりません。お茶って本当に素晴らしいものです。

でもこれを機に、もしお茶が大好きで先生になりたい人がいたら、一日でも早く教え始めて、満ち足りた人生を送ってほしいと思うようになりました。

★ 目 次

第一章  お茶の楽しみ
  一、 生涯学び続ける楽しみ
  二、 自分の得意分野を見つける楽しみ
     ・点前
     ・軸、書道
     ・花
     ・懐石
     ・和菓子
     ・道具
     ・茶室、茶庭
     ・取り合わせ
     ・もてなしの会話
  三、 着物で装う楽しみ 
  四、 友人とつながる楽しみ
  五、 自己表現できる楽しみ

第二章  お茶を教えましょう
  一、 教えることにより覚えられる
  二、 少しでも収入があるとお茶を長く続けられる
  三、 弟子を持つことによりあなたのお茶がより深くなる
  四、 社会とつながっているという安心感がもてる
  五、 いくつになっても自己決定力が衰えない

第三章  指導者になったら
  一、 お弟子さんを楽しませてあげましょう
  二、 お弟子さんにお許状をとってあげましょう
  三、 地域のお茶の団体に加入してお茶会を担当しましょう
  四、 お弟子さんを集める努力をしましょう
  五、 どんな時もお弟子さんの応援団になりましょう

市井の一介の老茶道教師の書いた本です。
大好きなお茶を多くの人に知ってもらいたい、という一念で書きました。
茶道の目指す深いところはとても力不足で書けません。
ただ、そんな私でも楽しめるというところをお伝えしたいと思っています。
どなたでも、気軽にお茶を楽しんでいただきたいのです。
そして、それを毎日の生活の中に生かしていただけたら、本当に嬉しく思います。

   

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