著者:伊藤七日
ページ数:115

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(このエッセイ集は、北海道の「あさひかわ新聞」-㈱北のまち新聞社-で連載している『沖縄移住記 果報を探して』を、著者自身でまとめ、Kindle本として自己出版したものです)

3ヶ月間の西表島生活を経て、「やんばる」と呼ばれる自然豊かな沖縄本島北部へ—。

これは、沖縄のガイドブックでも、「地方移住」のノウハウ本でもありません。
実用的な情報を集めたものではなく、沖縄移住を勧めるものでもありません。

これは、ただ住んでみたいという理由で、28歳で沖縄県へ移住した私が、生まれ育った北海道とは何もかも真逆の土地で、どんな風に日々を過ごし、何を感じていたのか—その、あくまで主観的で、ごく個人的な、3年間の記録です。

初体験の本格的な梅雨。発生してすぐ接近する台風。毎日当たり前の熱帯夜。夏も冬も旺盛に茂る緑。珊瑚の海で、マングローブの川で出会った、美しい生きものたち—

冬は深い雪に埋もれ、最低気温-41℃を記録する、北海道・上川盆地の畑の中で育った私が、沖縄の「やんばる」で感じとった風と光、色と匂い。

どこに住んだって幸せになれる。どこの街だってきっと楽しい。
けれどもどうしても心をつかまれて動けなくなる土地がある。

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