著者:中村 彰太郎
ページ数:716
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――中国四川省にある「三星堆遺跡」から出土した青銅製の「神樹」は、何の木をあらわしているでしょうか。
1.桃の木、2.扶桑の木、3.梅の木
正解は、本書第2章「一、長江上流の四川盆地は天然の要塞地」をご覧ください。
中国の古文書にも登場し、日本では「八咫烏」として、また「熊野権現」の神のお使いとして知られる三本足のカラス「金烏」。本書は、その「金烏」に魅せられた著者が、関係する資料を渉猟し、日本だけでなく韓国や中国にも赴いて取材を重ねて謎を追い求めた、15年にわたる調査研究を日々を記録としてまとめた作品である。月像に描かれた「蟾蜍」、月の中に描かれた「蟾蜍」と「白兎」、太陽信仰を暗示する「神樹」など「金烏」と「蟾蜍」と「白兎」の痕跡から見える東アジアの古代文化の変遷や、太陽と月と星々を紋章として皇帝の権威を示した「十二紋章冕服」をはじめとする歴史遺産や中国の神話から見える、古代人の「太陽と月と星々」への思いを探る、歴史のロマンに満ちた探究の旅が、いま始まる。
[目次]
第一部 ご縁って不思議、ありがたいことです
◆ プロローグ
第一章 朋(とも)遠方(えんぽう)より来たる、また楽(たの)しからずや
一、大韓民国(テハンメンクック)に「烏山(オサン)」あり
二、朋(とも)、遠方(えんぽう)より来たる …素養(そよう)深き「宋哉変(ソンジェスブ)」さん
三、母八十才のお祝いとソウル観光 …尊敬する母と妻と共に
(一)ソウルの国立中央博物館 …建物に憂いあり
(二)大韓民国の「烏山」訪問 …ある伝説
(三)「洗馬台(セマテ)」での逸話(いつわ)…「小西行長(こにしゆきなが)」の敗退
(四)韓国民族村での出来事 …わっと逃げた子供たち
(五)「孝道(こうどう)」ということ …薄れつつあるというものの
四、ふたりの日光東照宮(にっこうとうしょうぐう)(世界文化遺産) …朝鮮通信使(ちょうせんつうしんし)と徳川幕府の平和への願い
五、押すな押すなの「ああ高句麗(こうくり)展(てん)」 …シンボルマークは「金烏(きんう)(三本足の烏(からす))」
六、ふたりの「伽倻山海印寺(カヤサンヘインサ)(世界文化遺産)」 …ご本尊(ほんぞん)は「毘盧遮那仏(びるしゃなぶつ)」
七、「宋哉変(ソンジェスブ)」さんの突然の訃報(ふほう) …「オリンピック精神」に涙する
第二章 大韓民国の「金烏(きんう)(三本足の烏(からす))」を探る
一、十一年ぶりの「烏山(オサン)市」訪問 …「烏山橋」は「烏山大橋」と変わる
二、老師(ろうし)御夫妻との再会の宴 …お酒は「百歳酒(ひゃくさいしゅ)」
三、「孝城(こうじょう)」とも称される「水原華城(スオンハソョン)(世界文化遺産)」 …烏鵲(うじゃく)(カササギ)と白兎(はくと)
四、「烏山」という地名発祥(はっしょう)の謎を考証(こうしょう)する
(一)那須国(なすのくに)(栃木県)の「烏山(からすやま)」の由来
(二)大韓民国の「烏山(オサン)市」の由来
五、聖なる山の「金烏山(キムオサン)」は三山(さんざん) …亀尾(グミ)市長との偶然のご縁
六、大邱(テグ)広城市友鹿里(ウロクトン)の「沙也可(サヤカ)」の人たち …「金烏(きんう)の家紋」と「雑賀衆(さいかしゅう)」
七、「国立金海(キムヘ)博物館」 …こわいほど、日本のそれと似る出土品
第二部 「金烏(きんう)」と「蟾蜍(せんじょ)(ヒキガエル)」と「白兎(はくと)」
◆ プロローグ
第一章 高句麗(こうくり)の旧首都集安(しゅうあん)を訪ねて …中国大連市から往復二千四百キロの取材旅行
一、熊岳城(シュンユエチャン)駅での語らい …戦前の日本開拓民を尊敬するという人々
二、ガイドさんは金髪です …もやに霞(かす)む山々と点在する山里
三、唯一見学できる「集安(しゅうあん)五号墳」の玄室(げんしつ) …「金烏(きんう)」と「蟾蜍(せんじょ)(ヒキガエル)」の壁画
四、「好太王碑(こうたいおうひ)」の碑文の改竄(かいざん)は無かった …発見された「好太王」の陵墓
五、ピラミッド型の「将軍塚(しょうぐんづか)」の不思議 …陵墓は「好太王」か「長寿王(ちょうじゅおう)」か
六、昼食は「セリ」と「タラボ」と「黄(き)な粉餅(こもち)」 …可憐(かれん)に咲くアカヤシオと滔々(とうとう)と流れる鴨緑江(おうりょくこう)
七、「洞溝(ドンゴウ)古墳群(こふんぐん)」と「丸都(ガンドウ)山城(さんじょう)」 …大小あわせて一万二千基以上という古墳群
八、「太陽烏(たいようう)(金烏(きんう))」の大きなモニュメント …中国遼寧省瀋陽市の「新楽(しんらく)遺跡」
第二章 四川省(しせんしょう)成都(せいと)市の「三星堆(さんせいたい)遺跡」 …中国古代神話のルーツを求めて
一、長江(ちょうこう)上流の四川(しせん)盆地は天然の要塞地(ようさいち) …三国時代の「蜀(しょく)」と「武侯祠(ぶこうし)」
二、驚きの「都江堰(ドウジャンアン)」 …二千二百年前の大治水工事
三、「三星堆(さんせいたい)遺跡」と多くの青銅鋳物(せいどういもの)に隠された謎 …「神樹(しんじゅ)」と「縦目(たてめ)仮面」は何を物語るのか
四、「青羊宮(せいようきゅう)」と「道教(どうきょう)」の聖山「青城山(せいじょうざん)」
第三章 中国五千年の歴史を誇る「陝西(せんせい)歴史博物館」 …「三足鳥尊(さんぞくちょうそん)」と「十二紋章冕服(べんぷく)図」を手中にする
一、黄河(こうが)文明の故里(ふるさと)「陝西省」と王都「長安(ちょうあん)」 …「阿倍仲麻呂(あべのなかまろ)」そして「秦(しん)」の製造技術
二、「陝西(せんせい)歴史博物館」…写真撮影はご自由にどうぞ …「三足鳥尊(さんぞくちょうそん)」と「中国歴代服飾」との出会い
三、「半坡(はんぱ)遺跡」は弥生(やよい)時代の村落の源流か? …六千数百年前の遠古(えんこ)の集落跡
第三部 太陽と月と星々と
◆ プロローグ
第一章 広大な宇宙観にもとづく中国の古代神話 …「太陽」と「月」と「星々」の物語り
一、「太陽神話」と「金烏(三本足の烏)」 「后羿(こうげい)神話」と「三星堆(さんせいたい)遺跡」の「神樹(しんじゅ)」
二、「月神話」と「蟾蜍(せんじょ)(ヒキガエル)」と「白兎(はくと)」 …「嫦娥(こうが)神話」と仙薬を持つ「西王母(せいおうぼ)」伝説
三、「北辰(ほくしん)」と「紫宮(しきゅう)」と「天子(てんし)」 …北極星、「七夕神話」と「烏鵲(うじゃく)」
第二章 中国北京市の歴史遺産の不思議 ……………隠された神秘(しんぴ)数字の謎
一、規模壮大な「明の十三陵」の不思議 …数字の「七」、「五」、「三」
二、「故宮(こきゅう)」(世界文化遺産)の不思議 …「龍」と「九」という数字
三、「天壇(てんだん)公園」の不思議 …「鳳凰」と「三」と「九」という数字
第三章 「十二紋章冕服(じゅうにもんしょうべんぷく)」の不思議 …………紋様の変化に新たな発見
一、中国歴代王朝の皇帝の御服「朝服(ちょうふく)」の謎 …「黒」と「五色」、主役は「龍紋」へ
二、天皇の御服「袞竜衣(こんりょうい)」の謎 …「金烏」と「兎」と「蛙」と「北斗七星」
三.十二紋章異聞…「鳥獣人物戯画」の謎と「別尊雑記(べっそんざっき)」の不思議… 「兎」と「蛙」と「猿」の物語、そして「妙見菩薩(みょうけんぼさつ)」の「月像」と「日像」
◆ あとがき
【資料御提供など御協力戴きました方々】
【参考文献】
【辞典類】
著者略歴
[出版社からのコメント]
八咫烏といえば、多くの方はサッカーをイメージされるかも知れませんが、その源流をたどっていくと古代の歴史に遭遇します。本書には、3本足のカラスを追って古代の歴史を追い求める、知的冒険の旅が記されています。この旅をぜひ多くの方に楽しんでいただければ嬉しく思います。
[著者略歴]
中村 彰太郎(なかむら・しょうたろう)
1940年 川崎市に生まれる。疎開後、栃木県烏山町で成長。
1959年 栃木県立字都宮高校卒業。
1963年 東北大学工学部機械科卒業。
1972年 株式会社中村製作所社長就任。
1994年 中国大連中村精密部件工業有限公司 董事長・総経理就任。
【公職歴】
栃木県商工会連合会会長
烏山商工会長
南那須工業クラブ会長
三菱重工業汎用特車事業部相協会副会長
野州八咫烏(カラス)の会会長
那須烏(カラス)山報徳会会長
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