著者:髙梨 聡美
ページ数:45
¥500 → ¥0
『心を救う 聴く力』
~子育て・教育・障害者支援・職場・介護現場で 自尊心を育て心の居場所をつくる~
はじめまして!NPO法人しえんのまなび舎の代表 髙梨聡美です。
数ある本の中から、この本を手にとって下さり、ありがとうございます。
きっと、この本を選んで下さっということは、どなたかの支援や介護をしていて、または、どなたかの相談にのっていて、何か上手くいかないことがあるからではないでしょうか?
子育てをする中で、教育している中で、高齢のご両親の介護をする中で、障がいの子どもの保護者のこと パートナーとの関り方で、職場の人間関係の中で、多くの場面で 悩みや辛いことがあるからでは、ないですか?
そんなあなたに、ぜひお伝えしたいことがあります。
「聴く」ことを大切にした心をひらく方法です。
「話を聞くなんて簡単なこと。ただ、耳を傾ければいいのでしょう。」
そう思っている方も多いと思います。私も以前はそうでした。
ところが、相手があっての取り組みは、自分の思い通りには進みません。失敗や困りごとも多いのではないでしょうか。
「ただ聞くだけのこと」が上手くいかなくて、人間関係が悪くなることもあります。親子関係、夫婦関係、家族関係、職場での人間関係などなど悩みはつきものです。
私にとって、それを解決してくれるのは、「人の話を最後まで聴く」ということでした。
私は、約35年小学校の教員をしていました。一般的なクラスを20年、特別支援級を残りの時間担当しました。多くの経験をしましたので、自分自身の子育ても苦労なく…と言いたいところですが、それは、思うようにはいきませんでした。
長男を授かったところ、その子は中耳炎を繰り返し、百日咳にもかかりました。夜泣きがひどく、常に睡眠不足で、可愛いと感じることもできませんでした。
近頃虐待の話題も上がりますが、その当時、私も虐待する母親の気持ちがよく分かりました。辛い日々でした。
すぐに中耳炎になる長男のことを思い悩んでいる時、叔母から衝撃的な一言を言われました。
「子どもが耳の病気を繰り返すということは、あなたが周りの人の話がよく聞けないことに繋がると思うの。」
教員の私にとって、人の話が聞けないということは、致命的なことです。本当なのか?どうすればいいのか?迷いました。来る日も来る日も、祈るように手にした本を読みました。霧の中でもがいている私でした。心がただれる思いでした。
そんな時、出会ったのがこの言葉です。
「どんな小さなことでも 人の話は最後まで聞いてあげるのですよ。その人の心の中の思いをぜんぶ受けとめてみてごらんなさい。」
その言葉を実践してみようと、私の親として、教師としての取り組みが始まりました。
三人の子どもの子育ての中で、多くの試練(家庭内暴力、学級崩壊の首謀者、教師への反乱、大病、不登校、ひきこもり、発達障害、うつ病など)が子ども達に起こりました。親としてこの試練を一つずつ乗り越えてきました。
また、教員としては、多くの子ども達や保護者と関わる中で失敗も重ねてきました。
ただ、言えることは、私の体験すべてのことを通して、息子を含め、いろいろな方々の心に寄り添い、前に進めるように背中を押すことが出来るようになったことです。
現在、私は『NPO法人しえんのまなび舎(や)』と言う団体を立ち上げ活動しています。「支援を支援する団体」と言われ、発達特性のある(発達障害などや育てにくい)子ども達を支援する大人、保護者、先生、支援員の方々を支援しています。
また、最近では、介護をする方や市民活動などの支援者も支援しようと活動を広げています。 人と接する方々には、是非、身に付けて頂きたいスキルです。
今回この本では、私が経験したことから、「聴くこと」を中心にして「互いの関係作りが上手くいく五つの方法」をお伝えします。
人間関係を構築するときに大事なことは、『自尊心を育てること』だと思います。 自尊心とは、自分が大切な存在と思う心です。『あるがままの自分を大切に』する心なのです。
「聴く」ことで、「聴いてもらうこと」で自尊心を育てていくこともできるのです。 これからお伝えする五つのことを意識していくことで自分も自分の周りの世界が変わります。 最後まで読んで頂き、できるところから実践してみて下さい。
♡読者プレゼント♡
聴く力を発揮するためのセルフケア
♡「マインドフルネス」の解説書
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もくじ
まえがき
第一章 聴くということ
〈話が聴けない母〉
〈話は聴くこと、応えることではない〉
〈身体で分かったこと〉
〈どんな小さなことでも最後まで聴くということ〉
〈聴くということは、「全てのことを受けとめる」こと 〉
第二章 信頼すること
〈次男の子育てから〉
〈思春期の変化でも 〉
〈子どもを信じる気持ちで〉
〈親のような思い〉
〈信じてもらうと強くなる〉
第三章 心の居場所
〈三男の子育てから〉
〈三男の中学時代〉
〈講演会での出来事〉
〈寄り添うことの大切さ〉
〈全てを聴いて受け入れる〉
第四章 まずは、自分のケア
〈自分自身はどうですか?〉
〈自分のケアが大切〉
〈自尊心を育ててもらわなかった母〉
〈セルフケア〉
〈マインドフルネス〉
〈こころを癒すハンドセラピー〉
第五章 実践しましょう
〈多くの個性と対面する〉
〈自分が磨かれる〉
〈相手のためには、実は自分のため〉
〈NPO法人しえんのまなび舎を立ち上げて〉
〈「話を聴く」を広げましょう。〉
〈自尊心が育ちます〉
あとがき
子どもにかぎらず、人間の元気は、ありのままの姿が親をはじめとする周囲の人たちから受容、承認されて「私はこのままでいいのだ」という安心感や自信をもつことで、心の底からわいてくるものだそうです。
聴くことで、目の前の方に寄り添い、温かな人間関係作りが築けます。 温かな人間の中でこそ、人間は生きていることを実感できます。
作者者プロフィール 小学校教員を38年勤め、うち20年は、一般学級担任、18年は、特別支援学級を担任。11年間、教育相談コーディネーターを兼務。
令和2年12月NPO法人しえんのまなび舎を立ち上げ、発達特性がある子どもの支援者を支援する団体として活動を始める。子どもの支援のヒントを学ぶ会として、「サロン(懇談会)」「学習会、講演会」「自立支援に向けた事業、相談」を行い、『一人ひとりの子どもがありのままの自分を大切に生きることができるような支援』を目指す。
現在は、活動を広げ、しえんを支援する団体として、多くの世代を支援するため、三世代交流を目標にしている。
また、自立支援事業として、小学校5年生~18歳までの就労にに向けてのペガサス就職塾の塾長をスタートさせている。 家庭では、3人の息子を育て、現在は、配偶者と共に父母を介護しながら活動をしている。
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