著者:南谷 忠志
ページ数:651
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――宮崎固有の方言で「ヨメジョヒッパリ」「タネウマカチカチ」と呼ばれる植物は、次のどれでしょうか。
1.サザンカ、2.スミレ、3.キク
正解は、本書「Ⅱ 宮崎の植物方言の分布について」をご覧ください。
植物には、学名や和名と別に方言としてその土地固有の呼び名がある。それらの名称は独自の発想を持ち、その土地の文化を色濃く反映していることも少なくない。本書は、そうした植物方言について、豊かな方言を残す宮崎の地を訪ね、延べ300名の語り部から採録した792種6,077もの植物方言を収めた記録集である。植物から見た宮崎の民俗誌としても、お楽しみいただける内容となっている。
[目次]
巻 頭 言
あなたの古里では、スミレや アケビを何と呼んでいましたか?
同じ植物で地方によってさまざまの名前が ――身近な植物の方言
この方言の植物は?
は じ め に
Ⅰ 植物方言収集の方法について
1.方言収集の方法
2.方言収集の場所と語り部たち
Ⅱ 宮崎の植物方言の分布について
1.宮崎の植物方言語彙の分布の特徴はどうなっているか
2.植物種ごとの方言語彙数が極めて多い(豊かなバリエーション)
3.宮崎県だけの固有な方言が多い(豊かな発想)
4.里人は植物方言名を何に目を向けて付けたのか
5.参考文献
宮崎の植物方言語彙
1.一般植物(野生植物と園芸種)
ア行
カ行
サ行
タ行
ナ行
ハ行
マ行
ヤ行
ラ行
ワ行
2.農作物の方言
あとがき
[筆者略歴]
[担当からのコメント]
昔はそれぞれの地方にあった方言が失われていく現実、それは宮崎でも変わりはありません。単なる失われゆく古い言葉ではなく、地域の歴史と文化が詰まった言葉である方言の価値を見直し後世に伝えていく、本書がそんなきっかけとなれば嬉しく思います。
[筆者略歴]
南谷 忠志(みなみだに・ただし)
1940年 台湾台北市生まれ
1963年 宮崎大学学芸学部卒業
1963年~ 宮崎県立富島・小林・高鍋・宮崎西高等学校(29年間勤務)
1989年~ 宮崎県総合博物館(9年間勤務)
2001年 同上副館長退職
1996-2011年 県立看護大学・宮崎大学・南九州大学非常勤講師・客員教授
日本植物学会、日本植物分類学会、植物地理・分類学会、日本シダの会会員
環境省希少野生植物種保存推進員、日本植物分類学会絶滅危惧植物問題検討委員、九州森林管理局鹿対策検討委員、宮崎県文化財審議会委員、宮崎県環境保全審議会委員
緑と花の文化知識認定試験出題員(民俗分野)
宮崎県文化賞(1991)、環境大臣賞(2002)、松下幸之助花の万博記念賞(2004)、日本植物分類学会賞(2005)、国際ソロプチミスト環境貢献賞(2005)受賞
著書:日本の天然記念物(講談社)、ふるさと大歳時記(角川書店)、週刊朝日百科「植物の世界」(朝日新聞社)、レッドデータプランツ(山と渓谷社)、日本植物種子図鑑(東北大学出版会)等共著多数、「日本産ミツバツツジ類(ツツジ科)の分類」等論文記載
オナガカンアオイ・ヒュウガアジサイ・ヒュウガシケシダ・ヒュウガカナワラビ・ヒュウガヒロハテンナンショウ・ヒュウガセンキュウ・ヒュウガオウレン等多数の新種発見
[現住所]宮崎市恒久
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