#ついに出来た！ 英語前置詞マスターのための レファレンスブック（完全版）

英語は前置詞言語です。日本語ではテニヲハを使うのに対して、英語は前置詞を使うということです。例えば「山の上空の飛行機」はa plane over the mountainとなり、「赤いドレスの女性」はa woman in a red dressとなります。overやinが前置詞です。日本語では「山の上空の」のように「山」の後ろに「上空の」が置かれていますが、英語では、over the mountainのようにthe mountain の前にoverが置かれています。だから、「前置詞」という呼び名になったのです。日本語のテニヲハは「後置詞」と呼ばれることがあります。

前置詞を攻略することが英語を身に付ける上で絶対に必須です。幸い、英語の主要な前置詞の数は限られています。しかも、その数はこれから増えることもないでしょう。そこで、前置詞を体系的に学んでおくと、英語力は一気にアップするはずです。

本書は、前置詞の用法を辞書以上に詳しく記した「英語前置詞辞典」です。本書では、前置詞の意味の整理のしかたとして、コア理論を用いています。これは筆者（田中）が1980年代の中頃はじめて提案し、以降、多くの英語教育関係者が「イメージで学ぶ」ということを旗印に応用しているものです。この考え方は、TESOL Encyclopedia of English Language Teaching （2018, Wiley）や『認知言語学大事典』（2019, 朝倉書店）でも紹介しています。一言でいえば、それぞれの前置詞には１つの意味があり、前置詞がさまざまな状況で使われても、背後には共通の意味があるというものです。