著者:森本 京介
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「子どもの権利条約」および国連からの勧告は、親が離婚する場合でも、双方の親は、子どもに対して「受容的な応答関係」を保障し続けなければならないことを求めています。親が結婚していようと、離婚していようと、子どもが双方の親から「愛情と幸福と理解のある環境」(条約前文)を保障してもらいながら、大きくなり成長発達する権利を有している(条約前文、6条、9条)ことは、人類の英知であり、「子どもの権利条約」の中核そのものです。
子どもはどうしたら成長発達に不可欠な「愛情と幸福と理解のある環境」を親からもらえるのか。「子どもの権利条約」は、子どもの「ねぇ、ねぇ」顔をこっちに向けてよという愛着行動を意見表明権として保障し、親がそれに対して「なぁに、そうなんだ!」と無条件で(エンパワーメントされた形で)受容的に応答する(愛する)義務を果たすことによって実現しようとしています(条約12条および勧告パラ22)。意見表明権とは、子どもが親との間に無条件の受容的な人間関係をつくる権利であり、子どもはそれを通して親から愛され、自己肯定感と共感能力と基本的信頼感を獲得し、調和のとれた人間へと成長発達するのです。
家庭裁判所の裁判官や同居親の弁護士等は、多くの場合、親の言い分の判断者や代理人ではあっても、子どもの成長発達権の担い手としては機能しません。子どもが別居親を拒否している、あるいは別居親がDVを行う可能性があるといったような主観的な理由で、いとも簡単に面会交流の拒否を正当化します。どのようにしたら、親も、裁判官も、調査官も、弁護士も、関係者全員が、親の利益ではなしに、子どもの成長発達権の保障という共通の王道に向けて協働できるのでしょうか。新たなメカニズムの構築が焦眉の急として求められています。

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