【無料で読める】稼ぐ男の婚前契約書ルールブック編：婚前契約書を作る際に知っておくべき重要知識

婚前契約書を作成したのに、将来、妻は財産を放棄してくれるのだろうかと、
寝る前に布団の中で不安になったことはないでしょうか。
この不安は、婚前契約書を作成した全ての男性の頭を悩ませる問題です。

企業の社長や開業医、勤務医の方などの高額所得者（「稼ぐ男」）は、
海外セレブの高額な離婚慰謝料や財産分与額を知り、婚前契約書の重要性を知ってはいるけれど、
結局、婚前契約書に挑戦することなく結婚していきます。
そして、別居や離婚（有事）になって、弁護士に相談することになりますが、
ディフェンスに徹するしかないのが殆どです。

しかし、稼ぐ男たちの不安が現実化するかどうかは、夫婦間契約において、
夫財産の（前倒し的あるいは離婚時の）分配が、まともに考えられているか次第です。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

弁護士時代は、稼ぐ男の悩み全般を請け負ってきましたが、その中でも、「離婚問題」は、稼ぐ男を悩ませる法律問題の中でもっとも大きな問題だと感じていました。

本書は、婚前契約書を作成した方、あるいはこれから作成してみようかなと考えている稼ぐ男に向けて、
私が思うベストな婚前契約書の「方針」や「運用」の在り方を示すことによって、
「結婚から引き返す際に、婚姻期間中に生み出された財産はすべて折半される裁判基準、社会一般の固定観念からの脱却」（本書第一章第４節）をすることを最終的な目標としています。
稼ぐ男が、健やかに結婚を迎え、離婚に対する恐怖を減少させ、稼ぐ男の未来へのソリューションを提供します。

プロフィール（抜粋）　
淀川　聡介
弁護士として企業法務や個人案件を受任するような法律事務所で８年程度勤務後、
弁護士登録を外して、民間企業において、スタートアップへの支援、
企業が新規分野に進出する際に関わる、金融商品取引法、保険業法、資金決済法、
消費者関連法、信託業法等の各種規制法、コンプライアンスの在り方を踏まえた、
専門的なサービスの提供をしています。
最近は特に、各種法律によるレギュレーションの確認、関係省庁への意見照会、
月間５０本以上の契約書ドラフト作成が業務の大半です。
契約書のレビューをこなすうえでは、弁護士時代に企業間でやり取りされた
膨大な契約書の悩み・勘所の蓄積が、日々の業務で役に立っていると感じています。
稼ぐ男、特に開業医、中小企業のオーナーのための婚前契約書が日本に浸透していない状況
に対して一石を投じたいと思い、婚前契約書の作成・実務的研究を日々行っています。
Twitter ＠Agreement_aaa

目　次

第１章　制度設計
第１節　男が主導的に婚前契約書を作成する目的
１　うまくいかない結婚から引き返す
２　結婚直後に離婚することとなった事案
３　準備がなければ裁判所の基準通りに分与の可能性
４　婚前契約書は妻側が関心を持ち始めている
第２節　夫婦別産制を理解する
１　夫婦別産制とはなにか
２　夫婦別産制の条項例
第３節　間違ってはいけない妻側への収入の移転方法
１　「区別しているから大丈夫」は危険？
２　婚姻費用の定め方
３　事前の分配時の注意点
第４節　婚前契約書の書式の集め方
第５節　弁護士の選び方
１　弁護士は婚前契約書を書きたがらない
２　契約書を作成した後も相談できる弁護士の方が望ましい
３　弁護士にチェックを受けるポイント
４　補論
第６節　妻が婚前契約書を作る気持ちになる方法
１　思考作業が苦手な妻の説得
２　疑心暗鬼な妻の説得
第７節　再婚の準備
１　先妻との間に子がある場合の再婚は不安が大きい
２　先妻との間の財産分与が完了していることが重要
３　後妻との離婚に備えて、婚前契約書を締結すること
４　後妻に対して特有財産たる家の贈与は避けた方がよい
５　後妻との間の婚前契約書は子に存在を知らせ、同時に遺言公正証書を作成しておくこと
第８節　お花畑な婚前契約書
第９節　公正証書と婚前契約

第２章　婚前契約の運用..
第１節　妻の事業への参加には慎重に
第２節　婚姻前から保有する不動産を離婚から守る方法
１　同居期間中の注意点
２　別居期間中の注意点
第３節　不動産の財産分与と譲渡所得税..
第４節　別居時に留意すべきこと
１　妻の婚前契約書への認識が顕れる
２　夫婦共有財産の管理口座を引き取る
３　別居時婚姻費用の支払は確実に守る
４　離婚時財産分与の前倒し的分配は中止せよ..
５　「婚姻費用を払いたくないのであれば同居を申し入れよ」は本当か..
第５節　相続に関する事項について記載する際の注意
１　遺言めいたことは書くな..
２　財産分与の問題は元妻が亡くなる前に解決せよ..
第６節　妻が「認知症」になった場合の財産分与リスク..
１　離婚を考えているのであれば、配偶者が認知症になる前に決意せよ..
２　成年後見人は婚前契約書の内容を争う可能性が高い