著者:佐藤 利明
ページ数:274
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【佐藤利明の娯楽映画研究所 第一巻】
娯楽映画研究家・佐藤利明がお届けする「娯楽映画を語る」シリーズ「佐藤利明の娯楽映画研究所」第一弾!
2022年、生誕100年を迎える、松竹大船撮影所のマエストロ、娯楽映画のエース・番匠義彰監督。ハイテンポ・ハイセンス・ハイテンションの「花嫁シリーズ」などその面白さは一目瞭然! 昭和40(1955)年のデビューから昭和40(1965)年までのわずか10年間に、38作品を残して活躍の場をテレビに移した。今まで語られる機会の少なかった番匠監督作品の魅力を徹底分析、全38作レビュー。ラピュタ阿佐ヶ谷で特集上映「番匠義彰:松竹娯楽映画のマエストロ」(2022年2月20日〜4月2日)開催!
イラスト・近藤こうじ
DTP編集・組版・中川右介
【目次】
はじめに 映画監督・番匠義彰の魅力
第一部 番匠義彰とは何者か
第一章 松竹大船のアルチザン
松竹らしくない監督
相克と融和の映画
東京風景
松竹ジャンルの復興と記念作
音楽演出の良さ
おなじみの脇役たち
第二章 抜群のコメディセンス「花嫁シリーズの魅力」
第三章 正統派メロドラマの継承者
第四章 ハイテンポ・ハイテンション・ハイセンス! モダン喜劇
第二部 番匠義彰 映画大全
番匠義彰テレビ作品 一九六五〜一九八四年
あとがき
【今こそ、番匠義彰監督を!】
DVD、Blu-ray、配信の時代になって、どんな時代の、どんな映画でも観られると思いがちです。しかし実は映画黄金時代に誰もが「面白い」と思っていた作品が、観られるチャンスを失って「取り残されている」ケースがたくさんあります。
番匠義彰監督は、1922年生まれ。今年、生誕100年を迎えます。昭和30年にメロドラマ『かりそめの唇』で監督デビュー。昭和40年の鰐淵晴子主演『ウナ・セラ・ディ東京』まで、わずか10年間に38作を作り、テレビ映画へと転身。
松竹初のシネスコ「松竹グランドスコープ」第1作『抱かれた花嫁シリーズ(1957年)を任されるほど、娯楽映画づくりのマエストロとして、抜群のセンスの持ち主でした。「花嫁シリーズ」は、有馬稲子、小山明子、倍賞千恵子、鰐淵晴子たち松竹若手女優をヒロインに、昭和37年『泣いて笑った花嫁』まで全8作作られるドル箱シリーズとなりました。
その作風は、ハイテンポ、ハイセンス、ハイテンション。沢山の登場人物をあざやかにさばき、ラストの10分間で、「あれよあれよ」と全てがストンと収まる、面白さ! コメディ、文芸作、メロドラマ、ジャンルを越境して、その面白さは一貫しています。
しかし、DVD化されているのはわずか2作品だけ。その面白さは「知る人ぞ知る」でした。そこで昨年、ラピュタ阿佐ヶ谷「蔵出し!松竹レアもの祭」で、番匠作品を多めにラインナップ。映画ファンがその面白さを発見!ついに、この2月20日から4月2日まで、ラピュタ阿佐ヶ谷で特集上映「番匠義彰 松竹娯楽映画のマエストロ」を開催。上映可能な23作品(うちニュープリント2本も含む)をスクリーンでご覧頂けることになりました。
そこで思い立って「番匠義彰 映画大全〜娯楽映画のマエストロ〜」を刊行することにしました。観られないから語らない、ではなく、観られないからこそ、デティールまで言及して、作品の「面白さ」をお伝えしたい。僕らの少年時代の映画本のように、番匠義彰全38作の面白さ、楽しさ、素晴らしさを語り尽くしました!
作品は観れずとも観たくなる。そういう映画解説で育ってきた世代としては「観られないからこそ、語る」本を目指しました。
【著者プロフィール】
佐藤利明(さとう としあき)
娯楽映画研究家・オトナの歌謡曲プロデューサー
1963年東京都生まれ。ハナ肇とクレイジーキャッツ、「男はつらいよ」、エノケン・ロッパなどの昭和の喜劇人の魅力を、新聞連載やコラム、CDアルバム、映像ソフトのプロデュースを通して紹介を続けるエンタテイメントの伝道師。音楽プロデューサーとしても活躍。2015 年文化放送特別賞受賞。著書『クレイジー音楽大全 クレイジーキャッツ・サウンド・クロニクル』(シンコーミュージック)、『植木等ショー! クレージーTV大全』(洋泉社)、『寅さんのことば 風の吹くまま 気の向くまま』(東京新聞)、『寅さんのことば 生きてる?そら結構だ』(幻冬舎)、『石原裕次郎 昭和太陽伝』『みんなの寅さん from1969』(アルファベータブックス)など多数。
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