著者:樂月 慎
ページ数:28
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『ピカレスクな夜に』シリーズ 第3話「セクシーラブ」
ついに社長との会食。そこにいた店員との交わり……が、男を狂わせる。
銀座の夜を轟音で通り抜ける高級車……、グレーな夜に舞う光の粒たち。彩るソウルミュージックのグルーブ。
ついに社長との会食。そこにいた店員との交わり……が、男を狂わせる。
銀座の夜を轟音で通り抜ける高級車……、グレーな夜に舞う光の粒たち。彩るソウルミュージックのグルーブ。
あとどれだけ、艶のある夜を過ごせるだろうか? ピカレスクロマンに憧れていたあの頃、地位や名誉なんて知らなかった。誰かや何かをまっすぐに想いたくなる中年青春小説――。
著者略歴 仙台市出身 1975年生まれ
2005年 表題「陽だまりのブラジリアン」にて第十六回朝日新人文学賞受賞
2006年 「陽だまりのブラジリアン」朝日新聞社より刊行
2007年 書き下ろし小説「青色ミライ」光文社より刊行
2008年 書き下ろし小説「思川バルーン」幻戯書房より刊行
2013年 書き下ろし小説「海岸のマサオさん」幻戯書房より刊行
あらすじ
金村隆二は四十六歳。会社の経理部の二つ年上の女と肉体関係を持つ。偶然、出会い系サイトを通して出会ったのが、昔からの憧れのマドンナであった。すでにアラフィフに差しかかっているが、ミステリアスな彼女の魅力に金村は終始、翻弄されていく。
しかし金村には転勤の辞令。残される部下の気持ちや、同僚との交流の中で生まれる猜疑心。男の嫉妬と出世欲が渦巻き始め、女たちの肉体は東京の夜を躍動していく。
企業人である金村隆二がいる小さな社会。プライドを賭けて戦っている男たちが一息を吐くことのできる音楽や映画がある。時代を越えて存在しているそれらを再確認しながら、金村は夢中でセックスを求める。
女を抱くごとに、不明な連続殺人事件を目にし、不可解なものに追われている感覚が残る。東京の夜に、おセンチな中年男の恋心が疾走していく物語。
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