【無料で読める】未解決事件ファイル（国内編）

　日本全国で戦後から２０２０年末までに発生した未解決の殺人事件、事件性が疑われる行方不明事件の計７１９件を収録しています。事件を都道府県別に分け、年代順に掲載しています。持っている情報網を駆使して集めましたが、全ての未解決事件を完全に網羅してはいません。データーベースを意識して作成しましたので、写真や地図は掲載せず、文字のみです。
　各事件の考察を望んでいる方の期待には答えていません。
　未解決事件は時間の経過とともに「隠され」「風化」し、一部の人が世の中のことは何でも載っていると思っている「Wikipedia」にも記録されていません。歴史を研究していてわかるのは、「書き残さなかったことは、時間の経過とともになかったことにされる」ということです。
　本書はこうした現状を変え、記録を残そうという趣旨に賛同していただいた、全国の記者仲間、警察ＯＢから寄せられた情報をもとに被害者遺族の意志も汲んでまとめたものです。発生当日に小さな記事だけで続報がいっさいないなど、一人ひとりの記者の「残したい」という思いがなければ、「時間の経過とともになかったことにされ」ってしまった、Wikipediaにも載っていない事件が多く掲載されています。
　私は他の著書では関心を持ってもらおうとキャッチな文言を使ったり、大胆な考察をしたりしていますが、この本に限り、記録を残すことが主な目的でしていません。売上や採算はこの本に限り考えていません。
　しかし、無料での提供はしませんでした。以前、記事の内容をホームページで公開していましたが、コピペして類似のホームページが勝手に作られたり、勝手に引用して遺族を傷つけるような内容に改ざんされてしまったりしたことがありました。無料で入手できる情報はぞんざいに扱われます。そこで最低価格ですが、設定させていただきました。
　こうした説明を加えたのは、私の説明不足のために、「適当に記事を寄せ集めたようなものばかり」という批判を受け、熱意をもって協力していただいた記者や警察関係者、遺族の方々に悲しい思いをさせてしまったからです。
　「真犯人はこいつだ！」「この事件の真相はこれに決まっている！」という本を期待して購入していただいた方の期待を裏切る内容であることを事前に説明せず、申し訳ありませんでした。
　本の趣旨を汲んでいただいた方々からの反響はツイッターなどでお聞きしています。ありがとうございます。事件を忘れず、語り継ぎ、不幸にして亡くなられた方の「生きた証」だけは残していきたいです。（太宰大）